パーキンソン病治療薬ハルロピテープ(ロピニロール)について
2019年8月1日の薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会にて、パーキンソン病治療薬の貼り薬“ハルロピテープ”が承認されました。パーキンソン病治療薬としては大塚製薬が販売しているニュープロパッチに続いて2剤目となります。
ハルロヒテープについて
ハルロピテープは、久光製薬がHP-3000という開発コードで国内臨床試験を行っていた製品で、全身性の経皮吸収型の貼付剤であり、安定した血中濃度を持続させることを目的として開発された製品です。国内販売に関しては協和発酵キリンがライセンスを獲得しています。
ハルロピテープの主成分“ロピニロール”に関しては、飲み薬“レキップ錠/レキップCR錠”またはその後発医薬品として使用実績があります。パーキンソン病が進行すると薬を飲み込みにくくなる方が多くおられますので(嚥下困難)、飲み薬から貼り薬へ移行することは往々にしてありえます。
また、パーキンソン病を支援する家族や医療スタッフとしましても、貼り薬という剤形は使用したかどうかを目視で確認できますので、飲み忘れ・使い忘れを防止する観点からも有益な製剤かと思います。(飲み薬の場合、本人が飲んだかどうか忘れてしまうケースもあります)
ハルロピテープに関する国内臨床試験データは、レボドパを服用しているパーキンソン病患者さんを対象としてハルロピテープを1日1回貼付した場合、プラセボ群と比較して統計学的に有意な改善が確認されており、既に承認されている飲み薬と比較して非劣勢が確認されております。安全性に関しては問題となる副作用は認められていないと久光製薬は報告しています。
HP-3000ハルロピテープ国内第Ⅲ相比較臨床試験結果の概要
ハルロピテープの同類薬には大塚製薬が製造販売しているニュープロパッチというパーキンソン病の貼付薬が使用されておりますが、貼付部位のかぶれ・かゆみがしばしば見受けられます。
貼付薬関連の皮膚障害にヒルドイドソフト軟膏などを使用している患者様を多く見かけますが、貼り薬の製造販売に実績がある久光製薬が手掛けたハルロピテープは効能効果に加えて、長期間使用した時の皮膚障害リスクがどの程度抑えられているかというあたりもポイントになるかと思われます。