おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

糖尿病

週1回投与のインスリン製剤「インスリン イコデク」を承認申請(2023/8/11)

投稿日:2023年8月11日 更新日:

週1回投与のインスリン製剤「インスリン イコデク」を承認申請(2023/8/11)

ノボノルディスクファーマは週1回投与のインスリン製剤「インスリン イコデク」について「インスリン療法が適応となる糖尿病」を適応症として医薬品製造販売承認申請を行ったことを同ホームページに公開しました。

インスリン イコデクを承認申請

インスリン イコデクの治験データ

インスリン イコデクは基礎分泌を補充する目的で、週1回投与するタイプのインスリン皮下注製剤です。

久々に「おおぉ!」とうなるような画期的医薬品ですね。

インスリン イコデクは半減期がおよそ1週間であり、作用が長時間持続するタイプのインスリンアナログ製剤です。

イコデクを投与すると、可逆的に血中のアルブミンと結合し、持続的かつ緩徐にアルブミンから解離することで血糖降下作用が1週間にわたって持続するという特徴があります。700単位/mlと高濃度製剤あだるため、1回に投与する液量は従来の1日1回タイプの持効型インスリン製剤の液量と同等であると記載されています。

世界初の週1回投与のインスリン製剤ですので、注射回数を大幅に減らすことができ、治療におおける利便性と簡便性が大きく向上する製剤です。

insulin

insulin

第三相臨床試験データの概要としては

・ベースラインから52週までのHbA1cの低下量について、週1回投与のインスリン イコデクは、1日1回タイプのインスリングラルギン100単位/mlと比較して、血糖値が目標範囲内にあった時間を有意に長くできることが示された

・重大な低血糖、臨床的に問題となる低血糖がは発現することなく目標血糖値を達成した患者の割合は、1日1回タイプのインスリングラルギンよりもインスリン イコデクの方が高かった

・インスリン イコデクは米国・カナダ・欧州・中国・オーストラリア・スイス・ブラジルで既に承認申請が行われており、2024年前半には承認がえら得る見込み

経口GLP-1受容体作動薬orforglipronの糖尿病治療およびダイエット治療に関する治験成績(2023/7/9)

-糖尿病
-インスリン イコデク, 基礎分泌, 糖尿病治療薬, 週1回

執筆者:ojiyaku

関連記事

tablet

フォシーガ錠に慢性腎臓病の適応症が追加

フォシーガ錠に慢性腎臓病の適応症が追加 フォシーガ錠5mg、同錠10mg 「慢性腎臓病。ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者は除く」 上記効能効果が追加されました。再審査期間は4年間   …

tyuusya

インスリン製剤は「前回の注射箇所から少なくとも2~3cm離す」

インスリン製剤は「前回の注射箇所から少なくとも2~3cm離す」 厚生労働省はインスリン製剤の注射箇所を「少なくとも前回の注射箇所から2~3cm離す」ことや注射箇所に腫瘤「しこり・こぶなど」や硬結(硬く …

OZEMPiC

オゼンピック皮下注が1月26日に再承認審査

オゼンピック皮下注が1月26日に再承認審査   薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会が1月26日に行われます。新薬2製品が審議される予定です。 オゼンピック皮下注2mg 対象疾患:2型糖尿病 …

insulin-resistance

「インスリン抵抗性」の意味を調べてみました。

「インスリン抵抗性」の意味を調べてみました。   血液中の糖が多いとき、膵臓はインスリンを分泌することで肝臓などの臓器・筋肉・脂肪への糖の取り込みを促します。「インスリン抵抗性」とは、上記の …

futoru

ステロイドホルモンとプレドニン錠のちがいについて

ステロイドホルモンとプレドニン錠のちがいについて 〜体の中のホルモンと薬のはたらきをくらべてみよう〜 みなさんは「ステロイド」という言葉を聞いたことがありますか?スポーツのニュースや病院での治療などで …