後発医薬品数量シェアに影響するイソバイドシロップ(先発)の割合
イソバイドシロップ70%という先発医薬品があります。
イソバイドシロップ70% 500ml包装
イソバイドシロップ70%分包20ml包装
イソバイドシロップ70%分包23ml包装
イソバイドシロップ70%分包30ml包装
イソバイドシロップには上記のように、さまざまな分包品が販売されています。各種イソバイドシロップ70%包装の中で、500ml包装品だけが後発医薬品数量シェアに影響する割合非常に高い製剤となっております。そのため「イソバイドシロップ70%500ml包装を患者様へお渡しした後、後発医薬品数量シェアの低下には注意が必要です。
例えば
イソバイドシロップ70%分包30ml を1日2回、1回1包(30ml)飲む 30日分
という処方が出た場合、30ml包装品をトータル60包調剤します。この場合“60個(錠)の先発医薬品を調剤した“ という解釈となります。
イソバイドシロップは先発医薬品ですので
後発医薬品数÷(後発医薬品数 + 先発医薬品)という後発医薬品数量シェアの計算式でいうところの分母には60という数字が加わることになります。
イソバイドを飲みやすくするためにオレンジジュースやコーラで倍量希釈
一方で
イソバイドシロップ70% 50ml を1日2回に分けて1回25mlずつ飲む 30日分
という処方が出た場合、25ml分包品という商品はありませんので500ml包装を使用してトータルで1500mlを調剤します。この場合”1500個(錠)の先発医薬品を調剤した”という解釈となります。
上記の後発医薬品数量シェアの計算式でいうところの分母には1500という数字が加わることになります。
イソバイドシロップに関しては、包装品(23mlや30mlなど)が処方された場合は1包装品を1個とカウントしますが、分包品ではなく液量で処方された場合は“液量の総量=個数”としてカウントするルールとなっております。このようなルールのため液量調剤(後者の場合)は大量の先発医薬品を調剤することになりますので、後発医薬品数量シェアが低下する要因となります。
イソバイドシロップ70%500mlには該当するジェネリック医薬品としてイソソルビド内用液70%「CEO」という商品があるのですが、ジェネリック医薬品の味が非常に甘いということで、なかなか患者様に利用してもらえない印象があります。せめて飲みやすいジェネリック医薬品があれば・・・と思うのですが、なんともなりません。さらに、ジェネリック医薬品へ変更したしても先発品とジェネリック医薬品との価格差がほとんどないため、患者様負担がほとんど変わらないことも変更調剤が進まない理由の一つとなっております。
このように“包”か“液量“かによって後発医薬品数量シェアへの影響力に違いがある製剤としては目薬があげられます。
白内障治療薬として使用される
“カリーユニ点眼液0.005%5ml”は「1本=1個の後発医薬品を調剤した」とカウントします。
同一有効成分である
“ピレノキシン点眼液用0.005%「ニットー」5ml“は「5ml=5個の後発医薬品を調剤した」とカウントします。(平成31年3月31日までの措置です)
同一有効成分の後発医薬品を同じ量調剤したにも関わらず、上記2剤を調剤したあとの後発医薬品数量シェアには差が生じます(ピレノキシン点眼液を調剤した方が後発率が上がります)。
国策として「後発医薬品の使用量をあげましょう」という旗のもとで取り組んでおりますので、上記のようなルールについては、なんとかしていただければなぁと感じております。