1型糖尿病患者における超低炭水化物食(VLCD)によるHbA1c管理について
1日の炭水化物摂取量を30g程度で管理する超低炭水化物食を行った1型糖尿病患者群に関するデータが開示されました。
注意)VLCDにはvery low calorie diet(超低カロリーダイエット)という言葉とvery low carbohydrate-diet(超低炭水化物食)という言葉があり、今回は後者の言葉をVLCDとして使用しております。
被験者:316名の1型糖尿病患者(投与病発症年齢:16歳±14、罹患期間:11年±13)
超低炭水化物食を摂取した期間:2.2年±3.9)
平均炭水化物摂取量:36g±15
炭水化物は野菜繊維またはナッツから摂取し、重量ベースで1日当たり最大30gと設定しています。カロリー摂取に関しては、脂肪を含む高タンパク食品で調整されています。使用するインスリン量は食後の血糖に従ってインスリン量が調整されています。
2型糖尿病におけるSGLT阻害剤、GLP-1作用薬、DPP-4阻害剤を使用することによる心血管疾患イベントへの影響について
結果
超低炭水化物食開始前後におけるHbA1cの変化
7.12%±1.04→5.67%±0.66(変化率:-1.45%)
参加者の97%が血糖値の目標を達成しています。
平均血糖値:104 mg/dl±16
平均1日インスリン使用量:040 U/kg±0.19
思春期の発達における超低炭水化物食の影響については具体的に評価されてはおりませんが、今回の研究に参加した子供の両親および医療関係者から子供の身長データを提供してもらい調べてみたところ、被験者(子供)の平均身長は、年齢および性別の平均以上であったとしています。
有害事象
ケトアシドーシス:4例(1%)
低血糖症:2例(1%)
(糖尿病症関連の入院;7人(2%))
結論
1型糖尿病患者さんに対する超低炭水化物食治療は有害事象のリスクを増加させることなく食後血糖を良好に保ち、使用するインスリン量を低く管理することが可能となった。さらに1型糖尿病患者における糖尿病性合併症を食事によって予防できる可能性も示唆しています。