おじさん薬剤師の日記

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ヘルペスウイルス 痺れ・冷え・末梢神経障害

多発性硬化症とヒトヘルペスウイルス6型Aに対する抗体との相関について

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多発性硬化症とヒトヘルペスウイルス6型Aに対する抗体との相関について

 

多発性硬化症(感覚障害・運動障害・視力低下など)は神経細胞を覆う髄鞘が自己免疫により障害されて生じる疾患と考えられていますが、その原因は判明しておりません。

 

ヒトヘルペスウイルスには様々な型が報告されておりますが、その中の一つヒトヘルペスウイルス6型Aに対する抗体の量が多い人で、多発性硬化症を発症するリスクが高いという報告をスウェーデンの研究チームが行っておりましたので詳細を確認してみました。

ヒトヘルペスウイルス

 

ヒトヘルペスウイルスには様々な型があります。

ヒトヘルペスウイルス1型:口唇ヘルペス

ヒトヘルペスウイルス2型:性器ヘルペス

ヒトヘルペスウイルス3型:帯状疱疹

ヒトヘルペスウイルス4型:伝染性単核症

ヒトヘルペスウイルス5型:CMV単核症

ヒトヘルペスウイルス6型:突発性発疹・壊死性リンパ節炎

ヒトヘルペスウイルス7型:突発性発疹

ヒトヘルペスウイルス8型:?

 

ヒトヘルペスウイルス6型には6Aと6Bという2種類に分別することができることはわかっていましたが、それを正確に区別することはできませんでした。また6Aと6Bではどのような疾患に関与しているかについても不明なままでした。

 

しかし昨今の技術開発により血液中の抗体レベルを分析することでヒトヘルペスウイルス6を6Aと6Bに区分することが可能となりました。その結果、「6Aに対する抗体量が多い方で多発性硬化症のリスクと相関する/6Bは小児の突発性発疹などの軽度の疾患を引き起こす」ことが報告されました。以下に6Aに対する抗体量と多発性硬化症に関する報告内容を記します。

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多発性硬化症とヒトヘルペスウイルス6A抗体量の関係について

 

被験者(多発性硬化症患者8742人、対照群7215人)の採血データを用いヒトヘルペスウイルス6Aに対する抗体量(正確には“ヒトヘルペスウイルス6Aの前初期タンパクIE1Aに対する抗体量)を調べた結果、多発性硬化症患者は対照群と比較して抗体量が平均1.55倍高いことが示されました(有意差あり)。この傾向は年齢が若いほど顕著にしめされました。

ヒトヘルペスウイルス6Aの前初期タンパクIE1Aに対する抗体量(対照群の比較倍率)

30歳未満:1.8倍

30~39歳:1.56倍

40~49歳:1.48倍

50~59歳:1.46倍

60歳以上:1.64倍

 

上記のデータから多発性硬化症とヒトヘルペスウイルス6A前初期短タンパクに対する抗体量には正の相関があることが示されました。一方で6Bに対しては負の相関がある(0.74倍)と筆者らは述べています。

 

ヒトヘルペスウイルス6Aに対する抗体量の増加については、多発性硬化症を発症する前から、既に確認することができます。検査後に多発性硬化症を発症した478人に関する報告によると、発症前血液サンプルを調査したところヒトヘルペスウイルス6Aに対する抗体量が多い状態にあることが示されています。

 

多発性硬化症を発症する前段階におけるヒトヘルペスウイルス6Aの前初期タンパクIE1Aに対する抗体量(対照群の比較倍率)

20歳未満:3.38倍

20~29歳:2.29倍

30~39歳:1.51倍

 

尚、ヒトヘルペスウイルス6Aに対する抗体量の多さは多発性硬化症の再発および進行には関連しているものの、疾患の重症度には関連はみられませんでした。また抗体量は年齢とともに低下すること、喫煙が抗体量をUPさせる要因となっていることが報告されています。(喫煙は多発性硬化症の危険因子)

MS-HHV6A

MS-HHV6A

ヒトヘルペスウイルス6Aが多発性硬化症を引き起こす?

 

ヒトヘルペスウイルス6Aも6Bもどちらも脳内に潜伏ことが可能ですが、6Aのみが「オリゴデンドロサイト」と呼ばれる細胞に潜伏・感染することが報告されています。「オリゴデンドロサイト」は髄鞘を形成するはたらきをもっています。多発性硬化症は髄鞘の損傷により引き起こされる疾患です。

 

「ヒトヘルペスウイルス6Aの生息域であるオリゴデンドロサイトへ自己免疫が攻撃を仕掛けること」

「オリゴデンドロサイトの減少により髄鞘の形成が阻害されること」

「髄鞘の修復作業が進まずに、髄鞘の欠損・障害が進行すること」

このあたりが多発性硬化症の要因なのでは?と筆者らは推測しています。

多発性硬化症とヒトヘルペスウイルス6型Aに対する抗体との相関について

 

-ヘルペスウイルス, 痺れ・冷え・末梢神経障害
-ヒトヘルペスウイルス6A, 原因, 多発性硬化症, 抗体, 突発性発疹, 関連

執筆者:ojiyaku


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