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インスリン製剤は「前回の注射箇所から少なくとも2~3cm離す」

インスリン製剤は「前回の注射箇所から少なくとも2~3cm離す」

厚生労働省はインスリン製剤の注射箇所を「少なくとも前回の注射箇所から2~3cm離す」ことや注射箇所に腫瘤「しこり・こぶなど」や硬結(硬くなること)がみられた場合は「その箇所への注射を避けること」をインスリン製剤の添付文書に記載することをもとめました。

インスリン製剤は「前回の注射箇所から2~3cm離す」

インスリン製剤は、体の同じ個所へ繰り返し注射することで、その部位が「皮膚アミロイドーシス(皮膚に繊維状の異常たんぱく質が沈着する疾患)」または「リポジストロフィー(注射部位などに脂肪組織の異常が生じる疾患)」といった疾患が生じやすくなります。

 

皮膚アミロイドーシスやリポジストロフィーが生じた部分にインスリン製剤を投与した場合、吸収が妨げられ、十分な血糖コントロールが得られなくなることがある(適切な量のインスリンが体内吸収できず、血糖が下がりきらない)

 

ナノパスJr.(インスリン自己注射針)の発売開始(2019年2月26日)

 

テルモは2019年2月25日、インスリン自己注射針“ナノパスJr.”の発売を開始しました。

ナノパスJr.とは長さ3mm、外径0.18mm(34G)という規格のインスリン用の針で、既存の針に比べて長さが1mm短くなりました。注射針の長さを短くすることで、注射時の痛みを軽減する目的です。小児や、やせ型、皮膚の薄い患者さんに使いやすい剤形となっています。ナノパスJr.のパッケージ(外観)にはパンダの絵が描いてあり、“こわくない注射針”というコンセプトが伝わります。ナノパスJr.の発売により

小児=ナノパスJr.

というイメージをつけることがメーカーとしての戦略なのかもしれません。小児にとっては医療=コワイという印象が心の中にありますので、そのあたりを”かわいい”、”こわくない”というイメージで緩和することは重要に感じます。

 

尚、既存のナノパスニードルⅡ34Gは引き続き販売が継続されます。

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既存の針

ナノパスニードルⅡ34G:長さ4mm、外径0.18mm(先端部分の外径が0.18mm、根元部分の外径は0.24mm)

ナノパスJr.のプレスリリース2019

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業