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頓服薬として使用したときのエビリファイ・リスパダール・ジプレキサの違いについて検討する

ojiyaku 5
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頓服薬として使用したときのエビリファイ・リスパダール・ジプレキサの違いについて検討する

抗精神病薬の中で、エビリファイ・リスパダール・ジプレキサという3剤には服用しやすい剤形としてエビリファイ内用液・リスパダール内用液・ジプレキサザイディスという剤形が販売されています。これらの剤形は、その使い勝手の良さから適応症には記載されていない”頓服薬”として処方されることが多々あります。

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エビリファイ・リスパダール・ジプレキサの具体的な効き目はそれぞれ異なるのの、通常の利用方法は、毎日服用を続けることで、統合失調症などの症状を緩和する働きがあります。

しかし、例えばドーパミンの一過性上昇がもたらす急性期(不穏時・不安時・イライラ時など)に対して、上記薬剤を頓服薬として使用するケースを臨床上では度々目にすることがあります。通常定期服用する薬剤の頓服作用を検討する場合、効果発現の早さ、効果持続時間、力価という3点を確認すると、ある程度の指標となるのかなぁと私は考えます。

~エビリファイ~

エビリファイ錠の半減期は60時間前後あります。毎日、エビリファイ錠を定期服用されている患者様の効果を考えるのであれば、エビリファイ錠とその活性代謝物の体内での動きを確認すべきです。しかし今回は”頓服薬として使用したエビリファイ錠の効果”に着目しておりますので、エビリファイ錠の効果だけをフォローするだけで大丈夫です。

(エビリファイ錠を1回飲んだ場合の、体内におけるエビリファイと活性代謝物の存在比が「159:8」であるため活性代謝物の効果は無視できます)

エビリファイ錠は連続服用することで徐々に体内での濃度が上がっていくタイプの薬であり、10~14日間飲み続けることで大塚製薬(販売元)が意図する効果が発揮される製剤です。そのため頓服として1回エビリファイ錠だけ飲んだ場合の血中濃度は、10~14日間飲み続けた場合の血中濃度の1/3~1/4程度にしか上昇しません。

 

以上のことから、頓服薬としてエビリファイ錠を使用して、ある程度の効果を期待するのであれば、”頓服する量”がポイントとなりそうです。(あまりに低用量を服用する程度では、効果を感じる血中濃度に到達しない可能性があります)

 

次に、エビリファイ錠・OD錠・液剤の効果発現時間を確認してみると(Tmax)

エビリファイ錠:3.3~3.5時間

エビリファイOD錠:3.14時間

エビリファイ内用液:2.6時間

 

頓服として使用するのであれば効き目は早い方がいいですので、エビリファイ内用液の優位性が確認できます。効果持続時間は剤形を問わず服用から1~2日間ほどかけて緩やかに減退していくことが示唆されます。

エビリファイ錠を服用すると過鎮静・過活動が生じにくいという特徴(パーシャルアゴニスト作用)がありますので、頓服使用後も日常生活の活動量を過度に落とさず経過することが示唆されます。

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頓服で使用したリスパダール内用液の薬物動態について

~リスパダール~

リスパダールは肝臓によって一度代謝をうけることで、薬理作用を示す(活性代謝物となる)薬剤です。(リスペリドン未変化体の血中濃度と精神症状改善効果に相関性は認められておりません)そのため、以下はリスパダールの活性代謝物についての薬物動態について検討してみました。

リスパダールを服用後40分ほどで効果が発現します。本来、統合失調症治療薬は毎日続けて飲み続けることで効果が感じられる薬剤が多いのですが、リスパダールの活性代謝物に関しては、頓服でも血中濃度の立ち上がりが早い(効果発現が早い)という印象を受けます。頓服による効き目については本来の効果(連続してリスパダールを飲み続けた場合)の6割程度の効果であることが示唆されます。

リスパダールの活性代謝物についての情報を見てみますと、一般的に抗精神病薬の効果として丁度良い量とは脳内の線条体D2受容体の占有率が60~80%程度を満たす量と考えられています。リスパダールの活性代謝物がこの占有率を満たすために必要な血中濃度は以下のデータとなります(インヴェガのインタビューフォームより)

D2受容体占有率60%:リスパダールの活性代謝物の必要血中濃度9.98ng/ml

D2受容体占有率70%:リスパダールの活性代謝物の必要血中濃度15.5ng/ml

D2受容体占有率80%:リスパダールの活性代謝物の必要血中濃度26.6ng/ml

 

良いかどうかはわかりませんが、上記の値を対数近似曲線で表すのであれば以下の式となります。

D2受容体占有率=0.136×Log(e)×(リスパダールの活性代謝物の血中濃度)

参考:excel関数:=INTERCEPT(既知のy, LN(既知のx))

 

リスパダールを1mgを7日間飲み続けた場合の活性代謝物の血中濃度が9.23ng/ml(Cmax)ですので、おおよそD2受容体占有率60%程度の効果があると考えられます。頓服としてリスパダール1mgを使用した場合の活性代謝物の血中濃度は5ng/ml程度ですので、上記の対数近似曲線式を用いて計算すると、D2受容体の占有率は20~30%程度と試算されます。

 

効果判定については、一過性に急変した症状に対してリスパダール1mgを服用し、活性代謝物がD2受容体の20~30%に作用することで急変症状にどの程度の変化をもたらすか(自覚症状の変化)を確認することが求められます。

効果持続時間は服用後半日を経過すると徐々に減退してくると思われます。

頓服で使用するのであれば錠剤(服用後1時間あたりで効果発現)よりも内用液(服用後40分あたりで効果発現)の方が効き目が早い印象です。

~ジプレキサ~

頓服服用後3~4時間ほどで効果が発現します。効き目は定常状態時の効果と比較すると40~50%程度です。頓服後の効果持続時間は1日程度は持続的に続くものと思われます。服用量にもよりますが、持続時間と一過性の抗ドーパミン作用だけを見るのであれば、ジプレキサ頓服の効果は、エビリファイとリスパダールの中間という印象をうけます。

ジプレキサ錠とジプレキサザイディス錠との比較データによると、効果発現までの時間に差はありません。(添付文書のデータによるとザイディス錠に比べて錠剤の方が25分ほど効き目が早いようなデータが記されています。Tmaxのデータより)

 

ジプレキサはドーパミンD2・D3・D4受容体に加えてα1アドレナリンおよびヒスタミンH1受容体に対してほぼ同じ濃度範囲で高い親和性を示してバランスよく結合する特徴があるため、不穏感・イライラ・不安感などを含む幅広い急性変調に対処できる特性があると思われます。

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頓服で使用したリスパダール内用液の薬物動態について

頓服薬の選定には関しては、定期服用している抗精神病薬と同じ薬を頓服薬として使用するケースもあれば、違う薬を使用するケースもあります。いずれの薬においても頓服薬使用する場合は、薬の効き目と同時に消失するまでの時間についても考慮する必要があります。急性期症状の具体的な症状と発現時間、変調度合いなどを明確に確認し、症状に見合った薬剤を選定することが求められます。

 

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