睡眠状況における朝型夜型(クロノタイプ)と罹患率および死亡率の関連について
米国の研究チームが朝型または夜型の睡眠タイプが心血管リスクや死亡率とどのような関係にあるのか調査した結果を公開しました。
目的:38~73歳までの男女43万3268人(平均年齢43歳)を6.5年間追跡調査して、夜型or朝型の睡眠状況と各種リスクに関する調査を行った。
対象者の睡眠状況を「朝型(27%)」「中程度の朝型(35%)」「中程度の夜型(28%)」「夜型(9%)」という4つのタイプに分類してリスクを検討しています。尚、分析結果は年齢、性別、民族、喫煙、体格指数、睡眠時間、社会経済的環境、疾患で調整を行っています。
睡眠状況における朝型夜型(クロノタイプ)と罹患率および死亡率の関係について
結果
「夜型」は「朝型」と比較して有病率が高いデータとなりました。
以下「朝型」と比較した「夜型」の疾患倍率
精神疾患リスク:1.94倍
糖尿病リスク:1.3倍
神経障害リスク:1.25倍
胃腸障害リスク:1.23倍
呼吸器疾患リスク:1.22倍
さらに「夜型」は「朝型」と比較して全死亡率が10%上昇していることがわかりました。
夜型タイプの死亡リスクに関しては、行動・心理的・生理学的リスクが要因となる可能性があり、仕事(社会生活)の慢性的な夜型シフトが体内時計と不整合をもたらす可能性があると筆者らは示唆しています。
さらに夜型タイプは睡眠時間の短縮につながることや、喫煙・アルコール摂取・違法薬物の使用率の高さも要因と考えられています。精神的ストレスが嗜好品の使用頻度上昇をもたらすことで死亡リスクにつながるのかもしれません。
ただし夜更かしをする人が急に朝型の生活へ生活環境を無理やり移行しようとすると、健康問題を抱える可能性もあるため、生活リズムを変更する際は毎晩少しずつ寝る時間を早める努力が必要となるとしています。
デパス・リーゼ・ソラナックス・ワイパックス・レキソタンの比較