おじさん薬剤師の日記

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製薬会社 買収

武田薬品が買収したシャイアーという会社について

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武田薬品が買収したシャイアーという会社について

 

武田薬品が6.8兆円(460億ポンド)で買収したシャイアーとはどのような製薬会社であるか調べてみました。

武田薬品によるシャイアー社買収の申出について

シャイアージャパン

シャイアーとは

シャイアーは血液や希少疾病に特化した製品を販売している製薬会社で、英国で創業を開始しています。2008年に英国から法人税の低いアイルランドに本社を移転した経緯があります。2017年12月時点での医薬品総売上高は151億ドル(1兆6500億円)であり世界製薬企業売上ランキング第17位にランクインしています。

 

シャイアーとは

シャイアーは血液や希少疾病に特化した製品を販売している製薬会社で、英国で創業を開始しています。2008年に英国から法人税の低いアイルランドに本社を移転した経緯があります。2017年12月時点での医薬品総売上高は151億ドル(1兆6500億円)であり世界製薬企業売上ランキング第17位にランクインしています。

(武田製薬の2017年12月時点の売上高は150億ドル(1兆6390億円)で売上ランキング19位となっています。)

 

武田薬品とシャイアーは売上高でみると同等規模に思えますが、シャイアーが扱っている医薬品は血液関連製剤・希少疾病製剤であるため利益率が高く、最終利益だけを見るとシャイアーの利益は武田の3倍に上ります。シャイアーは世界100か国以上で約40種類の医薬品を販売しており、米国での売り上げが6割を占めています。

 

シャイアーが開発した製品で、2017年以降に行われている第三相臨床試験のうち、非常に高い売り上げが期待されている品目としてLanadelumabがあります。Lanadelumabは血漿中のカリクレインという物質をターゲットにしているモノクロナール抗体です。このはたらきによりブラジキニンという成分の産生を抑えることができ、遺伝性血管浮腫発作(HAE)の治療剤として開発がすすんでおります。売上高予想は9億ドル以上とも試算されています。

 

日本国内でシャイアーが取り扱う医薬品は以下の8種類です。

武田薬品によるシャイアー社買収の申出について

シャイアージャパン

・アグリリンカプセル:本態性血小板血症治療剤

(必要以上に血小板を作り出してしまう疾患の治療剤)

 

・ビプリブ点滴静注:ゴーシェ病治療剤

(グルコセレブロシダーゼという酵素が欠損しているために糖脂質を分解することができず、脾臓・肝臓・骨などにグルコセレブロシドという糖脂質が蓄積してしまう疾患の治療剤)

 

・インチュニブ錠:注意欠損/多動性障害治療剤

(多動性・過活動・衝動性または不注意を症状の特徴とする神経発達症または行動障害の治療薬)

 

・アドベイト静注:血友病A治療薬

(血液凝固第VIII因子が欠損または活性低下しているためそれを補うことで出血を抑える薬)

 

・ファイバ静注用:血液凝固第VIII因子又は第Ⅸ因子を阻害してしまうため血液が固まりにくい患者さんで生じる出血を抑える薬

 

・リクスビス静注:血友病B治療薬

(血液凝固第Ⅸ因子が欠損または活性低下しているためそれを補うことで出血を抑える薬)

 

・ガンマガード静注:ガンマグロブリン血症治療薬・重症感染症治療薬

(免疫グロブリン製剤です。本来は血液中に存在する「抗体」とよばれる物質の総称です。体内で不要な物質(ばい菌など)にくっついて排除する際に利用される物質です。免疫グロブリンが不足している方は重症感染者にガンマガードは使用されます)

武田薬品によるシャイアー社買収の申出について

シャイアージャパン

武田薬品がシャイアーを買収した狙いとしては血液製剤・希少疾病製剤という分野の開拓と開発が進む新薬候補の入手・世界市場の販売拡大といったところです。この買収で懸念材料として挙がっているポイントは「5年程度で特許が切れる医薬品が多い」ことで、後発医薬品が発売される前に、どれだけ収益をあげられるかがポイントとなりそうです。

 




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