高血圧の初期治療に関する具体的な指針(2018年2月)NEJM
New Engl J Medによる高血圧の初期治療(2018年2月)が公開されました。
〜高血圧stage1〜
- 血圧が130/80〜140/90mmHgの方
- 既存の心血管疾患、糖尿病、慢性腎疾患の症状がない場合は心血管疾患リスク計算で10%未満の方
上記に該当する方は3〜6ヶ月間ライフスタイルの改善を実施することを推奨します。
〜高血圧stage2〜
- 血圧が140/90mmHg以上の方
- 既存の心血管疾患、糖尿病、慢性腎疾患の症状がある方、心血管疾患リスク計算で10%以上の方
(心血管疾患リスク計算方法:年齢や血圧、コレステロール、病歴、喫煙歴などを入力する画面に移ります)
上記に該当する方はライフスタイルの変更に加えて降圧薬による治療が推奨されます。
~ライフスタイルの変更内容~
・減塩:食事中の塩分量を1日3.8g以下に抑えます
・運動:有酸素運動を週90~150分(1日13~21分の歩行)
・アルコールを減らす:男性ではビール700ml、ワイン300ml、ウイスキー90ml、女性はその半分の量
・カリウムの多い食事(野菜・果物・海藻・大豆など)を取ります
・NSAIDS、うっ血除去薬(エフェドリン・アドレナリンなど)、アンフェタミンの減量を行います
~降圧治療の推奨薬剤~
・サイアザイド系利尿薬、Ca拮抗薬、ACE阻害薬、ARBの4つから選択する
・薬剤の選択においては患者さんの生活様式、臨床データを考慮する
・塩分摂取量が多い患者では利尿薬が効果的であり、塩分摂取の少ない患者さんではACE阻害薬・ARBが効果的である
・Ca拮抗薬は追加薬として使用する
~降圧剤による副作用~
・サイアザイド系利尿薬:服用開始1~2週間でナトリウム濃度をチェックする。低ナトリウム血症に注意
・ACE阻害薬:20%くらいで咳の副作用が起こりえます(血管浮腫はマレ)
・Ca拮抗薬:浮腫みの副作用が起こりえます
~血圧の測定方法~
・血圧測定時は背中の椅子の背もたれにつける
・脚は交叉させない(くまない)
・両足を床につける
・腕は心臓の高さにおく
・5分間安静にしてから測定する
非常に簡潔でわかりやすい内容に感じます。調剤薬局で勤務する薬剤師にとっても患者様へお伝えしやすい内容ではないでしょうか。