おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

乳児 糖尿病

出生時の体重・在胎週数と、出生後の1型糖尿病発症との関係についての報告

投稿日:2018年3月12日 更新日:

出生時の体重・在胎週数と、出生後の1型糖尿病発症との関係についての報告

 

1998年空2012年に英国で生まれた383万4405人の小児のうち2969人が幼児期に1型糖尿病を発症しています。このデータベースをもとにして、出生時の体重や在胎週数と1型糖尿病発症との関係について後向コホート研究に関する報告が行われました。

調査方法

出生時の体重について

2500g未満(5.3%)

2500~2999g(16.8%)

3000~3499g(36.8%)

3500~3999g(29.7%)

4000g以上(11.4%)

という区分に分け、3000~3499gを基準としています。

出生時の体重・在胎週数と、出生後の1型糖尿病発症との関係

出生時の在胎週数について

早産:37週未満(5.6%)

早期:37~38週6日目(19.3%)

満期:39~40週6日目(50.9%)

晩期:41~41週6日目(19.9%)

ポスト期:42週以降(4.4%)

 

結論

出生時の体重について

3000~3499gの体重を基準と考えた時に

3500~3999gおよび4000g以上で生まれた乳児が12歳までに1型糖尿病を発症する割合が1.11~1.12倍と有意差をもって高いデータとなっています。

メトグルコ服用と体重増減について

出生時の体重が500g増えると1型糖尿病発症リスク(HR比)で8%のハザードリスク上昇というデータとなっています。

 

出生時の在胎週数について

早産(37週未満)と早期(37~38週6日目)での出生は満期(39~40週)の出生に比べて1型糖尿病を発症する割合が1.17~1.24倍と有意差をもって高いデータをなっています。

 

後期またはポスト期の出生に関しては1型糖尿病との間に有意差はみられませんでした。

尚、出生時の出生時体重と在胎週数との間に関連はありませんでした。

出生時の体重・在胎週数と、出生後の1型糖尿病発症との関係

-乳児, 糖尿病
-1型糖尿病, 出生時, 在胎週数

執筆者:ojiyaku


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

elderly-diabetes-1

高齢者糖尿病の薬剤使用の注意点/超高齢化における糖尿病適正処方手引き

高齢者糖尿病の薬剤使用の注意点/超高齢化における糖尿病適正処方手引き   日本医師会のホームページに 「超高齢化社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き(糖尿病)」 が掲載されました …

tablet2

東和薬品がメトホルミン塩酸塩錠を製造する過程でNDMAが発生した原因を公開(2023/11/7)

東和薬品がメトホルミン塩酸塩錠を製造する過程でNDMAが発生した原因を公開(2023/11/7) 東和薬品は発がん性物質NDMAがメトホルミン塩酸塩錠から検出された問題にについて、製造過程で原薬と大気 …

OZEMPiC

オゼンピック皮下注が1月26日に再承認審査

オゼンピック皮下注が1月26日に再承認審査   薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会が1月26日に行われます。新薬2製品が審議される予定です。 オゼンピック皮下注2mg 対象疾患:2型糖尿病 …

icodec

週1回投与の基礎インスリン製剤の治験データについて

週1回投与の基礎インスリン製剤の治験データについて   ノボノルディスクが開発を進めている週1回タイプの長時間基礎インスリンアナログ製剤「インスリンicodec」の治験データが公開されました …

Entresto-LCZ696

ネプリアライシン阻害剤LCZ696(サクビトリルとバルサルタンの合剤)の腎機能保護作用/急性心不全への効果について

ネプリアライシン阻害剤LCZ696(サクビトリルとバルサルタンの合剤)の腎機能保護作用/急性心不全への効果について 追記:2018年11月15日 ネプリライシン阻害薬による血中NT-proBNP低下作 …