おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

小児科 抗インフルエザ治療薬

ゾフルーザ顆粒2%分包製剤の発売は2018-2019シーズンは発売しない

投稿日:2018年11月22日 更新日:

ゾフルーザ顆粒2%分包製剤の発売は2018-2019シーズンは発売しない

 

1回飲むだけで効果が得られる抗インフルエンザウイルス薬“ゾフルーザ錠”の新剤形「ゾフルーザ顆粒2%分包」は塩野義製薬が2018年4月に承認申請を行い、9月14日付で承認を取得し、11月中旬とされておりましたが、2018-2019シーズンは発売しないことが確定しました。

ゾフルーザ顆粒2%分包の発売に関しては、用法・用量の一部変更を伴う剤形追加という形での承認ですが、インフルエンザの流行を前に申請から5か月という短期間での承認取得となっております。

 

ゾフルーザ錠とゾフルーザ顆粒2%分包での適応症の違い

ゾフルーザ顆粒2%分包の用法について、非常に残念な点は、12歳未満で10kg~20kg未満の小児に対する適応が得られなかった点です。ゾフルーザ錠については12歳未満で10kg~20kg未満の小児に対しては1回10mgを1錠使用する用法が得られているのに対して、ゾフルーザ顆粒2%分包にはこの用法がありません。

ゾフルーザ錠のよくあるお問い合わせ(塩野義製薬2018年9月)

塩野義製薬に確認したところ、「承認申請は行っているものの、申請時期などは未定」という回答でした。

「小児」の定義は、添付文書の年齢区分によると「15歳未満」が一般的のようです。(6歳未満は幼児とされています)

新生児,乳児,小児に低出生体重児(出生 時の体重が2,400g未満)を加え「小児等」と記載 されるケースや、幼児と学童をまとめて小児(child)と区分するケースもあるようです(幼児:生後1年~6年、学童:生後6年~12年)

以下は2歳~5歳(幼児)を小児に含むと解釈した場合、ゾフルーザ顆粒2%(10~20kg未満への適応症)について記します。

小児の平均体重を確認してみると、

2歳~5歳:体重が10~20kg未満

6歳~:体重が20kg以上となる

ゾフルーザの効果について(薬理作用を私のイメージで記しました)

xofluza2%granule

xofluza2%granule

となっていますので、錠剤がのめない2歳~5歳の小児に対してゾフルーザ顆粒2%分包をお渡ししたいところですが、ルール上は適応症が得られていないというジレンマが生じています。非常にもどかしいと感じます。是非11月の発売前までには10kg~20kgの小児に対する適応拡大を期待したいところ・・・と思っていたのですが、どうやら適応症の取得が困難だったようで2018-2019シーズンでの発売は見送られるかたちとなりました。

 

ゾフルーザ錠10mgの特徴

12歳未満で10kg~20kg未満の小児に適応があるゾフルーザ錠10mgの錠剤の特徴は

 

ゾフルーザ10mg

直径:5mm

厚さ:2.65mm

重量:61mg

割線あり

粉砕可能(苦みあり)

ゾフルーザ錠のよくあるお問い合わせ(塩野義製薬2018年9月)

というサイズですので、大人が見ると「小さい薬だなぁ」と感じるのですが、錠剤を飲んだことがない小児にとっては「喉がつまっちゃって飲めない」と感じることもあるかと思います。ゾフルーザ10mgには割線がついていますので、半分に割って飲むことも可能ですし、錠剤をつぶして粉薬として飲むことも可能であることを塩野義製薬の学術に確認しました。(苦みあり)。

 

2017~2018年シーズンまでは、抗インフルエンザ治療薬と言えば「イナビル吸入」「タミフル」「ラピアクタ」「リレンザ」とった同系統の治療薬が使用されておりましたが、2018~2019年シーズンからは、これまでとは作用機序の異なり、効果発現も早いと考えらている抗インフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」がどこまでシェアを広げるか注目です。

私の個人的なイメージですが、これまで小児にタミフルドライシロップを5日間飲ませ続けることは、親御さんにとって非常に過酷な作業だと感じておりました。(タミフルドライシロップは非常に味が悪いためです)。しかし小児はイナビルを吸入できませんので代わりとなる薬がないため、どうしようもありませんでした。ゾフルーザは1回飲むだけで効果が持続して作用する非常に有用な製剤ですので、「1回飲むだけでいいからね」という説明が可能です。

ゾフルーザの効果について(薬理作用を私のイメージで記しました)

 

-小児科, 抗インフルエザ治療薬
-10kg~20kg未満, インフルエンザ, ゾフルーザ錠, ゾフルーザ顆粒2%分包, 効き目, 小児適応, 発売日

執筆者:ojiyaku


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

XOFLUZA

1回飲みきりインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ錠(バロキサビルマルボキシル)」が 承認審査(治験薬記号:S-033188)

目次 1回飲みきりインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ錠(バロキサビルマルボキシル)」が承認審査(治験薬記号:S-033188)ゾフルーザ錠の薬理作用について 1回飲みきりインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ …

influenza-elderly-people

高齢者は毎年インフルエンザワクチンを接種すると重症化リスクを減少させることができる

目次 高齢者は毎年インフルエンザワクチンを接種すると重症化リスクを減少させることができる厚生労働省によるインフルエンザワクチンの有効率に関する報告 高齢者は毎年インフルエンザワクチンを接種すると重症化 …

influenza-Myocardial-infarction

インフルエンザウイルスに感染すると急性心筋梗塞発症リスクが高まる

インフルエンザウイルスに感染すると急性心筋梗塞発症リスクが高まる   インフルエンザウイルスに感染が確認された後1週間以内は、急性心筋梗塞の発症リスクが高まるという報告がカナダの研究チームに …

influenza-CCB

カルシウム拮抗薬がインフルエンザウイルスの感染を予防する

カルシウム拮抗薬がインフルエンザウイルスの感染を予防する   北海道大学の研究チームが降圧剤「カルシウム拮抗薬」を投与することでインフルエンザウイルスの感染を予防するというデータを公開しまし …

xofluza-fda-approval

米国:インフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」を承認・発売へ/B型インフルエンザへの優位性

目次 米国:インフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」を承認・発売へ/B型インフルエンザへの優位性米国での臨床データ 米国:インフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」を承認・発売へ/B型インフルエンザへの優位性 &n …