モビコール配合内用剤HDの発売開始(2022/5/23)
EAファーマと持田製薬は2022年5月20日、慢性便秘症治療薬でるモビコール配合内用剤HDの発売を開始しました。
既にモビコール配合内用剤LDを1回に2包使用している患者様にとってアルミ袋開封の手間を減らし、負担金を少しだけ軽減できることがメリットとなっています。
モビコール配合内用剤LD:1包あたり75.3円、2包あたり150.6円
モビコール配合内用剤HD:1包あたり131.6円
その差19円が割安となります。
子供の便秘にモビコール配合内用剤を推奨(2018年11月5日)
2歳以上の小児に使用可能な下剤“モビコール配合内用剤”が医薬品として国内で承認されました。モビコール配合内用剤は2002年にヨーロッパにて小児(2歳~11歳)の慢性便秘症の適応承認を得ている製剤でして、37か国で使用されています。
海外の小児便秘症に関するガイドライン
英国NICEガイドライン(2010年):小児便秘症に対してモビコール配合内用剤(ポリエチレングリコール製剤)を第一選択肢として使用すること
北米小児栄養消化器肝臓学会および欧州小児影響消化器肝臓学会(2014年):小児便秘症治療にモビコール配合内用剤(ポリエチレングリコール製剤)を用いること
モビコール配合内用剤とは
モビコール配合内用剤とは1包に6.8523gの白い粉末製剤です。
成分
マクロゴール4000:6.5625g
塩化ナトリウム:0.1754g
炭酸水素ナトリウム:0.0893g
塩化カリウム:0.0251g
小児がモビコール配合内用剤を飲むときは、水やジュースに溶かして飲みます。
オレンジジュース(なっちゃん)
リンゴジュース(なっちゃん)
スポーツドリンク(ポカリスエット)
緑茶(おーいお茶)
烏龍茶
麦茶(ミネラル麦茶)
紅茶(午後の紅茶ストレート)
上記のジュースやお茶と混ぜて飲むことができます(インタビューフォームより)
モビコール配合内用剤1包を溶かすジュースの量は約60ml程度です。イメージとしては幼稚園や保育園で使用している子供用のプラスチックコップで1/3程度の液量です。味は若干ですが塩味があり、独特なにおいがあります。味が気になる場合はポカリスエットに混ぜて飲むと気にせずに飲むことができるかもしれません。
また、モビコール配合内用剤の服用を開始すると同時に、日常的に水分をしっかり摂ることが、便秘症の改善につながります。
(溶解後は速やかに飲みましょう)
モビコール配合内用剤の効果について
モビコール配合内用剤の主成分“マクロゴール4000”はポリエチレングリコールとも呼ばれています。ポリエチレングリコールはとにかく水を引き付けるという特徴がある製剤です。ポリエチレングリコールを飲むと、腸管の中を流れながら水を引き付けていきます。すると腸管内を流れる水分量がUPします。すると便に含まれる水分の量及び便容積も増えて、腸管内を便がゆらゆら流れることになります。この働きにより自然な排便が促されることになります。
海外におけるモビコール配合内用剤の臨床試験データ
Ⅰ:2歳から11歳までの宿便がある小児に対してモビコール配合内用剤を使用したところ63人中58人で宿便が改善された。宿便の平均治療期間は6日間であった。
Ⅱ:2歳から11歳までの宿便がある小児に対してモビコール配合内用剤またラクツロースを投与して宿便治療を行ったところ、ラクツロース服用群では23%で宿便が再発したのに対して、モビコール配合内用剤群では再発は見られなかった。
Ⅲ:2歳から11歳までの慢性便秘症小児15人に対して4週間モビコール配合内用剤を投与したところ、服用前と比較して排便回数の増加が確認され、副作用は観察されなかった。
Ⅳ:2歳から19歳までの慢性便秘症小児350人にモビコール配合内用剤を6か月間投与したが、副作用を訴えた患者はいなかった。
便秘型過敏性腸症候群(IBS-C)治療薬「リンゼス錠0.25mg(リナクロチド)」とアミティーザの違いについて
小児の便秘にて対して、モビコール配合内用剤による薬物療法は、安全で効果もあり忍容性もよいため長期間の処方に適していると考えられます。他剤と比較してもモビコール配合内用剤の効果は同等(2報告)もしくは優れている(4報告)というデータが報告されています。(小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン(2013)にはポリエチレングリコール(PEG3350)がラクツロース・水酸化マグネシウム・プラセボより効果的であることが記されています)