国立研究開発法人 国立がん研究センター先進医療・費用対効果評価室は「国内で薬事法上未承認・適応外となる医薬品・適応のリスト」の最新集計結果を公開しました。
このリストは米国FDAおよび欧州EMAが承認した医薬品のうち、がん領域において日本では未承認あるいは適応外の医薬品とその1か月あがりの薬剤費の資産を提示したものです。
2018年4月時点で、FDA/EMAでは承認されているものの、日本では未承認の抗がん剤はのべ65剤(55薬剤65適応症)でした。そのうちFDAのブレークスルー・セラピーに指定されている抗がん剤は18剤でした。
ブレークスルー・セラピー:FDAの迅速承認審査制度の1つで、重篤または生命に重大な影響がある疾患に対する医薬品の開発および審査を迅速化することを目的としています。
適応症の内訳
血液がん:30剤
泌尿器がん:11剤
乳がん:5剤
皮膚がん:4剤
骨軟部腫瘍:3剤
肺がん:3剤
卵巣がん:2剤
小児がん:2剤
65剤の抗がん剤のうち薬剤費が判明している58剤中45剤において1か月あたりの薬剤費が100万円いじょうでした。またh1上げ圧当たりの薬剤費が1000万円をこえる抗がん剤は3剤ありました。
商品名:MEPACT(EU)、一般名:ミファムルチド
製薬会社:武田薬品工業
効能:非転移性で顕微鏡的に完全切除後の骨肉腫(骨軟骨部)
FDAは不承認、EMAで承認
1か月あたりの薬剤費:1900万円
国内で薬事法上未承認・適応外である医薬品・適応リストについて
商品名:YESCARTA、一般名:axicabtagene ciloleucel
製薬会社:日本国内での販売実績なし
効能:2つ以上の治療歴がある再発・難治性の大細胞型B細胞リンパ腫(CAR-T療法)
FDAは承認、EMAで未承認
1か月あたりの薬剤費:3730万円
商品名:KYMRIAH(キムリア)、一般名:tisagenlecleucel
製薬会社:ノバルティスファーマ
効能:25歳までの難治性または第 二再発以降のB細胞性急性 リンパ芽球性白血病(CAR-T療法)
FDAは承認、EMAで未承認、日本国内では現在承認審査中
1か月あたりの薬剤費:4750万円
国立がん研究センターは、海外での価格がそのまま日本の価格になるわけではないものの、最近のがん領域の医薬品は特に高額な品目がでてきているため、「患者負担と公的負担のあり方について、考えていく必要がある」と指摘しています。