Press "Enter" to skip to content

カルシウム拮抗薬がインフルエンザウイルスの感染を予防する

ojiyaku 0
Pocket
このエントリーを Google ブックマーク に追加

カルシウム拮抗薬がインフルエンザウイルスの感染を予防する

 

北海道大学の研究チームが降圧剤「カルシウム拮抗薬」を投与することでインフルエンザウイルスの感染を予防するというデータを公開しました。

インフルエンザウイルス感染をカルシウム拮抗薬が予防する

細胞内のカルシウムイオン濃度の上昇がインフルエンザ感染に重要である

報告によると、インフルエンザウイルスが細胞外から細胞内に侵入するためには、細胞内カルシウムイオン濃度が上昇することが重要であるとしています。そのため細胞内のカルシウムイオン濃度の上昇を制御する「カルシウムチャネル」がインフルエンザウイルスの感染の「鍵」となる受容体タンパク質であると記しています。

 

研究内容

カルシウム拮抗薬(ヘルベッサー(ジルチアゼム))を培養細胞に処理したところ、ウイルスの侵入と感染が抑えられています。さらにL型Caチャネルをノックダウン(発現量を減らす)させると、インフルエンザの侵入・感染が抑えられたことも報告しています。このことから、インフルエンザウイルスの侵入にはカルシウムチャネルが重要な役割を担っていることが示唆されます。

 

さらに実際の生き物での実験として、カルシウム拮抗薬を投与したマウスと投与していないマウスにインフルエンザワクチンを感染させたところ、投与していないマウスではウイルス感染により体重が減少して4日間で死亡したのに対して、カルシウム拮抗薬を投与したマウスでは、感染後1週間程度は体重は減少しますが、その後健康を回復しています。

海外で使用されていないイナビル吸入粉末剤はインフルエンザ治療に効果が「ある」のか「ない」のか

1回経口飲みきりタイプのインフルエンザ治療薬:キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬の薬理作用

筆者らは「この研究によりカルシウムチャネルがインフルエンザウイルスの感染に鍵となる受容体タンパク質であることが明らかとなった。最近問題となっている薬剤耐性株は細胞への侵入後に細胞内で作られるため、カルシウム拮抗薬によるウイルス侵入阻害はウイルスに薬剤耐性を獲得するチャンスを与えないと予想さる。」としており、今回の報告がインフルエンザウイルスによる感染拡大の予防や創薬・治療への発展につながることが期待されます。

 

今回の報告はカルシウム拮抗薬としてヘルベッサーが使用されていますので、それ以外のカルシウム拮抗薬によるインフルエンザの感染予防効果についてはわかりませんが、カルシウム拮抗薬全般に対して予防効果があるのであれば、カルシウム拮抗薬を服用している高血圧患者さん(高齢者が多い?)では感染率が低いデータがでるのかなぁと思ってしまいます。そこで一応ではありますが年代別のインフルエンザ罹患率、人口割合、降圧剤服用率を確認してみました。

2016~2017シーズンにおけるインフルエンザ受診者数

0~9歳:26%

10~19歳:21%

20~29歳:9%

30~39歳:10%

40~49歳:10%

50~59歳:8%

60~69歳:7%

70歳以上:9%

 

注意1:15歳未満の人口は1560万人、15~64歳までの人口が7600万人、65歳以上の人口は3500万人

 

注意2:60代で降圧剤を服用している割合は35%、70代では45%

(降圧剤=カルシウム拮抗薬とは限りません)

 

このデータから何かわかるわけではありませんが、若年層は人口が低いわりにインフルエンザに罹患しており、高齢者は人口が多いわりにインフルエンザに罹患している割合が低いと解釈できるのかもしれません。この背景にカルシウム拮抗薬の服用云々が有意差をもって示されるかどうか、今後調査されたら興味深いかもしれないなぁと感じました。

年齢別インフルエンザ感染者数

出産前の妊婦がインフルエンザワクチンを接種すると、乳児のインフルエンザ感染リスクを低下させる

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。