出産前の妊婦がインフルエンザワクチンを接種すると、乳児のインフルエンザ感染リスクを低下させる
インフルエンザワクチンの予防接種は6ヶ月以上の乳児から摂取可能です。逆に言いますと、生後6ヶ月未満の乳児にはインフルエンザワクチンの予防接種は適応外となり推奨されておりません。
(米国では生後6ヵ月以上の子供のインフルエンザワクチン接種を勧めており、日本小児学会は1歳以上での接種を推奨しています)
2017年12月5日のThe Journal of infectious diseases誌に掲載された報告によると、日本人女性を対象とした前向きコホート研究で、妊娠中に母親がインフルエンザワクチンの予防接種を行うと、出生した乳児のインフルエンザ罹患率が低下するというデータが示されました。
2013〜2014年のインフルエンザシーズンに出生した3441人の乳児を対象とした報告です。母親に対して2013〜2014年シーズンにインフルエンザワクチンの予防接種を行ったかどうかのアンケートを行い、2013〜2014年インフルエンザシーズン終了後にデータを収集し、乳児のインフルエンザ罹患率及び入院率に関して集計が行われました。
出産前の妊婦がインフルエンザワクチンを接種すると乳児の感染リスクが減少する
結果
2013〜2014年インフルエンザシーズンにおいて乳児71人(2%)がインフルエンザと診断され、13人の乳児(0.4%)はインフルエンザで入院しました。
出生前の母親へのインフルエンザワクチン摂取による有効性:61%
出生後の母親へのインフルエンザワクチン摂取による有効性:53%
母親のインフルエンザワクチン摂取(特に出生前のワクチン接種)は乳児のインフルエンザ感染リスクを減少させました。
母親のインフルエンザワクチン接種が乳児のインフルエンザ関連の入院リスクを減少させることに関してはデータが少なく統計的な有意差を示せなかったとしています。(73%であるものの、有意差なし)
筆者らは今回の調査結果を受けて、「妊娠中の女性及び産後の女性は乳児のインフルエンザ感染リスクを減少させるためにインフルエンザワクチンの予防接種を行うべき」とまとめています。
このデータが日本人を対象としているという点も非常に親近感を持って受け入れられるように私は感じました。
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