おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

FDA承認 抗精神病薬 降圧剤

エピペンとα遮断作用のある抗精神薬との併用禁忌が解除となる

投稿日:2018年3月16日 更新日:

エピペンとα遮断作用のある抗精神薬との併用禁忌が解除となる

 

アナフィラキシーの補助治療薬“エピペン”とα遮断作用のある抗精神薬との併用禁忌を解除することを薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会が2018年3月15日に了承しました。

α遮断作用を有する抗精神病薬とアドレナリン製剤を併用すると血圧低下(昇圧反転)を起こすおそれがあり、併用は禁忌とされている。

しかし、海外:米国及び英国のアドレナリン製剤の添付文書においてα遮 断作用を有する抗精神病薬は併用禁忌となっておらず、相互作用の項において併用により昇圧反転を引き起こす旨の注意喚起がされている。

エピペンとα遮断作用のある抗精神薬との併用禁忌を解除

国内副作用報告:アドレナリン製剤とα遮断作用を有する抗精神病薬との併用による血圧低下関連症例は5例報告されているが、いずれも回復している。

 

報告例

併用薬はハロペリドール 1 例、クロルプロマジン塩酸塩・プロメタジン塩酸塩・フェノバ

ルビタール配合剤及びレボメプロマジンマレイン酸塩 1 例、アリピプラゾール 1 例、リスペリドン 1 例、リスペリドン及びクロルプロマジン塩酸塩 1 例であった

(副作用名はいずれも「血圧低下」であり、転帰は「回復」であった)

ジプレキサ(オランザピン)やセロクエル(クエチアピン)を飲むと太る理由

専門委員より「アナフィラキシーが生命にかかわりうることを考えると、たとえ血圧低下が生じるリスクがあったとしても臨床的に意義のある妥当な判断」との意見もあり、支持された。

 

上記を踏まえ、アナフィラキシーの救急治療時におけるアドレナリン製剤とα遮断作用を有する抗精神病薬との併用禁忌が解除されることとなりました。

α遮断作用のある抗精神薬リスト

(添付文書の禁忌欄に「アドレナリンを投与中の患者」と記されている抗精神薬)

・インヴェガ

・インプロメン

・ウインタミン

・ウインタミン

・エビリファイ

・クレミン

・クロフェクトン

・コントミン

・シクレスト

・ジプレキサ

・セレネース

・セロクエル

・トリラホン

・トロペロン

・ニューレプチル

・ノバミン

・ピーゼットシー

・ヒルナミン

・フルメジン

・ベゲタミン

・リスペリドン

・ルーラン

・レキサルティ

・レボトミン

・ロナセン

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執筆者:ojiyaku


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