ペルサンチンL150mgが2020年6月あたりで安定供給に支障がでる
ペルサンチンL150mgカプセルを製造販売しているベーリンガーインゲルハイムは、ペルサンチンL150mgを製造していたドイツの製造所が2018年12月に閉鎖したために、ペルサンチンL150mgの安定供給が2020年6月で支障がでることを公開しました。
ペルサンチン®-L カプセル 150mg 供給に関するお知らせとお願い
ペルサンチンL150mgは徐放性顆粒製剤であり、製造プロセスが複雑で、製造機器と製造設備の観点から製造ラインを確立することが困難と判断されています。
ペルサンチンL150mg の製造の目途が立たない理由
- 原薬の溶出性を改善するために処方している酒石酸は、原薬と化学的に反応しうるため、製剤において両者が接触しないようにする必要があること。また、徐放性のコーティングを施す工程もあり、非常に複雑な製剤であること。
- 製剤そのものが複雑であることから多くの製造工程が必要となり、その結果、非常に複雑な製造方法であること。
- 従来の製造所で使用していた製造設備と異なる設備を使用するため、製造条件の再検討が必要であった。しかし、上記のとおり製剤と製造方法が複雑であることから、従来の製剤と同等の安定性・溶出性を担保できる最適な製造条件を確立できなかったこと。
上記の理由により製剤製造の目途がたっておらず、継続供給が極めて困難な状況ということです。
ペルサンチンL150mgは日本国内で年間2150万カプセルほどが処方されており、対応するジェネリック医薬品がないため変更調剤はできない製剤です。そのため同様の効能効果をもつ薬剤へ変更されることが示唆されます。
ペルサンチンLカプセル150mg
効能効果
- ワーファリンとの併用による心臓弁置換術後の血栓・塞栓の抑制
- つぎの疾患における尿蛋白減少
慢性糸球体腎炎(ステロイドに抵抗性を示すネフローゼ症候群を含む)
用法・用量
通常、成人にはジピリダモールとして1回150mgを1日2回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
尿蛋白減少を目的とする場合には、投薬開始後4週間を目標として投薬し、尿蛋白量の測定を行い、以後の投薬継続の可否を検討する。
尿蛋白量の減少が認められない場合は、投薬を中止するなど適切な処置をとること。尿蛋白量の減少が認められ投薬継続が必要な場合は、以後定期的に尿蛋白量を測定しながら投薬すること。
ペルサンチン錠100mg
効能効果
- ワーファリンとの併用による心臓弁置換術後の血栓・塞栓の抑制
- つぎの疾患における尿蛋白減少:ステロイドに抵抗性を示すネフローゼ症候群
用法用量
- 血栓・塞栓の抑制の場合
ジピリダモールとして、通常成人1日300〜400mgを3〜4回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 尿蛋白減少を目的とする場合
ジピリダモールとして、通常成人1日300mgを3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。投薬開始後、4週間を目標として投薬し、尿蛋白量の測定を行い、以後の投薬継続の可否を検討する。
尿蛋白量の減少が認められない場合は、投薬を中止するなど適切な処置をとること。
尿蛋白量の減少が認められ投薬継続が必要な場合は、以後定期的に尿蛋白量を測定しながら投薬すること。