おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

抗インフルエザ治療薬

インフルエンザウイルスに感染すると急性心筋梗塞発症リスクが高まる

投稿日:2018年2月14日 更新日:

インフルエンザウイルスに感染すると急性心筋梗塞発症リスクが高まる

 

インフルエンザウイルスに感染が確認された後1週間以内は、急性心筋梗塞の発症リスクが高まるという報告がカナダの研究チームにより報告されました。

概要

インフルエンザに罹患した患者数:19045人

急性心筋梗塞で入院した患者数:487人

インフルエンザに感染して1週間以内に急性心筋梗塞で入院した患者数:20人

インフルエンザウイルスに感染すると急性心筋梗塞発症リスクが高まる

上記の人数を検証したところ、インフルエンザに感染して1週間以内に急性心筋梗塞を発症した割合は、それ以外の期間に急性心筋梗塞を発症した割合に比べて6.05倍のリスクであることが示されました。8日目以降から先1か月までを観察したところ、このリスクが低下しています。

 

ウイルス検出後7日目以内における急性心筋梗塞の発症率を確認してみると

B型インフルエンザ:10.11倍

A型インフルエンザで:5.17倍

RSウイルスで:3.51倍

その他のウイルス:は2.77倍

海外で使用されていないイナビル吸入粉末剤はインフルエンザ治療に効果が「ある」のか「ない」のか

となっております。また年齢別のデータとしては

65歳以上で7.5倍

65歳以下で2.8倍

というデータが示されております。

ウイルス感染と急性心筋梗塞の発症のメカニズムは明らにはなっていませんが、筆者らはウイルス感染による動脈硬化の悪化、血管収縮などが原因として考えられるとしています。

出産前の妊婦がインフルエンザワクチンを接種すると、乳児のインフルエンザ感染リスクを低下させる

インフルエンザウイルスに感染すると急性心筋梗塞発症リスクが高まる

1回経口飲みきりタイプのインフルエンザ治療薬:キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬の薬理作用

-抗インフルエザ治療薬
-1週間, インフルエンザ, 急性心筋梗塞の発症リスク

執筆者:ojiyaku


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

datu-kapuseru

タミフルドライシロップが入手困難のためタミフルカプセルを脱カプセルしてください(2023/11/11)

タミフルドライシロップが入手困難のためタミフルカプセルを脱カプセルしてください(2023/11/11) インフルエンザが流行し、タミフルドライシロップ・オセルタミビルドライシロップが入手困難となってい …

infectious-virus3

インフルエンザウイルスの空気感染リスクに関しての報告(2018年1月18日)

インフルエンザウイルスの空気感染リスクに関しての報告   インフルエンザワクチンは、感染者が呼吸するだけで感染力のあるウイルスが呼気に含まれる、いわゆる「空気感染」する可能性があるという報告 …

baloxavir-oseltamivir

ゾフルーザ錠とタミフルカプセルの併用について(マウスモデル)

ゾフルーザ錠とタミフルカプセルの併用について(マウスモデル)   先日、ゾフルーザ錠の耐性菌が出現しているニュースが報道されました。耐性菌の発生率については、まだまだ低いようですが、ゾフルー …

xofluza2

3歳児からゾフルーザ錠を飲む方法(はじめての玉の薬“錠剤”を飲む方法)

3歳児からゾフルーザ錠を飲む方法(はじめての玉の薬“錠剤”を飲む方法) 追記2019年1月20日 先日、インフルエンザにかかりました。病院でゾフルーザ錠20mg 2錠が処方されました。せっかくなので、 …

cough

海外で使用されていないイナビル吸入粉末剤はインフルエンザ治療に効果が「ある」のか「ない」のか

海外で使用されていないイナビル吸入粉末剤はインフルエンザ治療に効果が「ある」のか「ない」のか 国内で使用できる抗インフルエンザ薬にはタミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタがあります。海外ではタミフル …