おじさん薬剤師の日記

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FDA承認 心不全 狭心症

慢性心不全治療薬“イバブラジン(商品名:プロコララン)を小野薬品が申請

投稿日:2018年12月31日 更新日:

慢性心不全治療薬“イバブラジン(商品名:プロコララン)を小野薬品が申請

 

小野薬品は慢性心不全治療薬“イバブラジン”を国内申請しました。イバブラジン(商品名:プロコララン)は2005年に欧州医薬品庁、2015年に米国食品医薬品局に承認されており、世界各国で使用されている医薬品です。世界的には100か国以上で“安定狭心症”

の適応症を有している医薬品なのですが、“慢性心不全“の適応症に関しては2012年以降に各国での承認が進んでいます。

イバブラジン(商品名:プロコララン)とは

 

イバブラジンは2006年に安定狭心症治療薬として発売された医薬品なのですが、2010年に慢性心不全患者を対象としたSHIFT試験が行われ、その結果、心不全による入院リスクを18%低下させたことや1年間の継続服用により心拍数抑制効果が確認されたため2012年に欧州において慢性心不全の適応症が追加された経緯があります。米国で2015年から医薬品として承認されています。

イバブラジン(ONO-1162)を国内承認申請

イバブラジンの薬理作用

 

イバブラジンは心臓の洞結節のペースメーカーIfチャンネルを用量依存的に阻害することにより、心拍数を低下させる効果がある医薬品です。β遮断薬やカルシウム拮抗薬では心拍数に加えて心収縮力も低下してしまうのですが、イバブラジンはこれらの薬とは異なり、心収縮力を低下させることなく心拍数だけを抑えることが可能です。心拍出量を維持した状態で心拍数を抑えることが可能ということは、少ない拍動数で十分な血液を全身に送り流すことができるということですので、心臓の負担を軽減させることができます。

心不全に対するネプリライシン阻害剤の効果について

SHIFT試験について

 

6505例の心不全患者(安静時心拍数70回以上/分、左心室の駆出率35%以下)を対象として、イバブラジン群(3264例)、プラセボ群(3264例)に分けて心拍数の変化・再入院・死亡リスクを調査した試験です。

SHIFT試験

イバブラジン服用群

心拍数減少作用

28日間服用で10.9回/分の心拍数減少作用が確認された

1年間服用で9.1回/分の心拍数減少作用が確認された(終了時点では8.1回/分の減少作用)

 

心不全悪化による入院数

イバブラジン群:514例

プラセボ群:672例

(相対的な入院リスクを26%抑制する効果が確認されました:有意差あり)

 

心不全による死亡数

イバブラジン群:113例

プラセボ群:151例

(相対的な入院リスクを26%抑制する効果が確認されました:有意差あり)

ラシックス錠の効果を患者様へお伝えする

有害事象

 

イバブラジン群

徐脈:150例

眼内閃光:89例

 

プラセボ群

徐脈:32例

眼内閃光:17例

有害事象で報告された“眼内閃光”に関しては、網膜におけるIhイオンチャネルが心臓のIfチャネルとよく似たチャネル構造であることから、イバブラジンが網膜におけるIhチャネルを遮断したものではないかと示唆されます。イバブラジンによる眼内閃光は軽度・一過性・可逆的な副作用です。服用から平均して40日あたりで眼内閃光が発生していると報告されていいます。(眼内閃光の副作用により約1%の方がイバブラジンの服用を注意しています)

 

徐脈に関しては、イバブラジン7.5mg、10mg服用群において2~5%の割合で報告されています。

 

それ以外の有害事象としては頭痛(2.6~4.8%)、心室期外収縮、めまい、かすみ目などが報告されています。

 

イバブラジン塩酸塩(ONO-1162)を国内承認申請を行った小野薬品は

 

「洞調律したでの安静時心拍数が75回/分以上の慢性心不全」の効能効果でイバブラジン塩酸塩を承認申請しました。

心不全に対するネプリライシン阻害剤の効果について

日本人を対象とした国内臨床試験

 

国内で実施した最善の既存治療下、NYHA心機能分類がⅡ~Ⅳ度、洞調律下での安静時心拍数が75回/分以上、左心駆出率35%以下の日本人慢性心不全患者254例を対象として(J-SHIFT試験)が行われています。

-FDA承認, 心不全, 狭心症
-Ifチャンネル阻害剤, SHIFT試験, イバブラジン, プロコララン, 小野薬品, 慢性心不全

執筆者:ojiyaku


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