おじさん薬剤師の日記

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脳梗塞再発リスク患者におけるシロスタゾールの有用性について

投稿日:2019年4月4日 更新日:

脳梗塞再発リスク患者におけるシロスタゾールの有用性について

 

脳梗塞再発リスクの予防として、シロスタゾールを追加で服用することは有益であるというデータが、国内292施設が参加したCSPS.com試験結果として公開されました。

noukousoku

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CSPS.com試験内容

非新原生脳梗塞発症から8~180日以内に、脳梗塞再発を予防するために抗血小板薬としてアスピリンまたはプラビックス(クロピドグレル)を飲んでいる患者さんを対象として、シロスタゾールを追加した群(2剤服用群)とアスピリンまたはプラビックスの単剤服用群とを比較した時に、脳梗塞慢性期における脳梗塞再発リスクの低減作用、出血リスクについて比較した試験です。

(資金提供はシロスタゾールの先発医薬品(プレタール)を製造販売している大塚製薬です。)

2剤服用群(947例)

アスピリン81mgまたは100mg+シロスタゾール200mg/日

プラビックス50mgまたは75mg+シロスタゾール200mg/日

 

1剤服用群(932例)

アスピリン81mgまたは100mg

プラビックス50mgまたは75mg

ブリリンタ錠(抗血小板剤)とアスピリンの併用による心血管イベント抑制作用

結果

追跡期間中(中央値:19か月)に脳梗塞が再発した例数を確認した結果

2剤服用群:932例中29例(2.2%)

1剤服用群:947例中64例(4.5%)

ハザードリスク:0.49

 

上記の結果となり、2剤服用群は1剤服用群と比較して1年間に脳梗塞が再発するリスクを半減する効果が確認されました。

 

副作用発現率

一方で、「重大な出血リスク、生命を脅かす出血リスク」については、両郡ともに低く、有意差はありませんでした。

重大な出血リスク、生命を脅かす出血リスク

2剤服用群:0.6% /年

1剤服用群:0.9%/年

(重大な出血・生命を脅かす出血は頭蓋内出血)

 

脳出血の発生率

2剤服用群:0.4%

1剤服用群:0.5%

両郡ともに低く、有意差はありませんでした。

経皮的冠動脈形成術(PCI)のステント留置後の抗血小板薬2剤から1剤へ減薬

有害事象発現率に関しては、2剤服用群で有意に高い結果となっており、特に心臓関連の副作用発現率が高い結果となりました(シロスタゾールによる動悸・頻脈が発生)

心臓関連の副作用発現率

2剤服用群:8.4%

1剤服用群:1.8%

 

さらに2剤服用群では約20%の被験者が、試験開始半年以内に試験薬服用を中止していました。おもな副作用は“頭痛”、“頻脈”でした。

(シロスタゾールの副作用発現率:頭痛4.6%、頻脈2.2%)

 

一方で、重篤な有害事象に関しては、2剤服用群の方が発生率が低い結果となっています。

2剤服用群:9.3%

1剤服用群:15.0%

(神経系:2剤群4.7%、1剤群8.3%)(消化器系:2剤群0.2%、1剤群1.2%)

 

まとめ

シロスタゾールを服用することで頭痛や頻脈といった副作用を生じないのであれば、脳梗塞の再発予防薬として、アスピリンまたはプラビックスにシロスタゾールを長期間併用することは脳梗塞の再発予防に有益である。

脳梗塞再発高リスク患者を対象とした抗血小板薬併用療法の有効性及び安全性の検討(CSPS.com)

 

-血液サラサラ
-アスピリン, クロピドグレル, シロスタゾール, プラビックス, プレタール, 併用, 脳梗塞の再発予防

執筆者:ojiyaku


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