おじさん薬剤師の日記

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認知症

アルツハイマー型認知症におけるタウタンパク質の影響について

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アルツハイマー型認知症におけるタウタンパク質の影響について

 

アルツハイマー型認知症の原因物質として脳内のアミロイドβの蓄積が確認されて、神経細胞が壊死し認知症が進行するという“アミロイドβ仮説”をもとにして、アミロイドβの合成を阻害する薬の開発が相次いで“とん挫”している現状があります。

tau-Aβ

tau-Aβ

そこで今回は、アミロイドβタンパク質以外のアルツハイマー型認知症の原因物質と考えらえている“タウタンパク質”について調べてみました。

タウタンパク質

アルツハイマー型認知症の患者さんの脳内に蓄積する異常たんぱく質の順番としては、まずはじめてにアミロイドβの濃度が徐々に高くなっていきます。それに続いてタウタンパク質の濃度も上昇することが確認されています。この濃度の上昇順番から考えて、アミロイドβタンパク質がアルツハイマー病の引き金となっているのでは?と示唆されアミロイドβタンパク質の阻害剤に関する研究開発が先行されましたが、研究がとん挫している現状です。

 

一方、タウタンパク質とアルツハイマー病との関連については、アミロイドβタンパク質が脳内に広がった後、側頭葉から新皮質へ神経原線維変化として確認されます。脳内の神経伝達不全・喪失・神経変性はタウ凝集体の病理的な広がりとともに現れることが海馬や皮質の画像解析で示されたおります。

 

興味深いことに、認知症機能障害の発症及び進行はタウタンパク質の蓄積および海馬の体積喪失とは相関しているのに対して、アミロイドβの沈着とは相関しておりません。

 

タウタンパク質を標的とした治療の開発

 

タウタンパク質の異常凝集をターゲットとして2016年にLMTMと呼ばれる化合物について第三相試験が行われました。LMTMを投与した結果、タウタンパク質の凝集・蓄積を防止できたものの、プラセボと比較して認知症やADLの低下率について差は見られませんでした。また既存で脳に沈着しているタウタンパク質を減少させたかについて試験は行われませんでした。

 

2015年にタウタンパク質のリン酸化を阻害する治療薬“GSK-3阻害剤”を使用した臨床研究では、軽度から中等度のアルツハイマー病に対して投与されましたが、プラセボと比較して認知機能の低下の割合はかわりなかったと報告されています。

 

上記の方法では新規で作られるタウタンパク質の線維化・凝集を制御することを目的としているものの、既存で脳に広がっているタウタンパク質をどうこうする働きは期待できないため、現在ではタウタンパク質をターゲットとしたモノクロナール抗体の開発が進んでいます。

 

2019年現在ではBIIB092というタウタンパク質に対するモノクロナール抗体を軽度認知症患者528名へ毎月注射して被験者の体内にタウを標的とした免疫ができるかどうかが米国で治験が進んでいます(トライアルは2020年まで)

タウタンパク質に対するモノクロナール抗体“BIIB092”について

 

-認知症
-アルツハイマー病, タウ, タンパク質, 凝集, 原因

執筆者:ojiyaku


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