おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

厚生労働省

添付文書の新形式の例を公表

投稿日:2019年2月12日 更新日:

添付文書の新形式の例を公表

 

2019年2月5日、厚生労働省は医療用医薬品の添付文書の新形式について実例を公表しました。

変更点

・「原則禁忌」が廃止

 

・「慎重投与」の一部が「特定の背景を有する患者に関する注意」へ移行

 

・「妊婦」「授乳婦」「小児等」「高齢者」という項目が「特定の背景を有する患者に関する注意」へ移行

添付文書の新形式

・小児等への記載内容は「安全性は確立していない」→「臨床試験は実施していない」という記載に変更

 

・授乳婦に関しては薬の成分が乳汁中へ移行するだけで「授乳を避けること」と記載するのではなく、「治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている」という事実を記載する形式にかわります。

 

・副作用発現率:臨床成績の項へ移行します。「その他の副作用」は表形式で記載することとします。

tenpu-bunsyo

tenpu-bunsyo

新形式の添付文書への移行期間は平成31年(2019年)4月~平成36年(2024年)3月までの5年間です。

紙の添付文書が医薬品に同梱されなくなる

現場で働く我々としては「原則禁忌」「慎重投与」の項目がなくなる(減る)ため、使用してよい薬かどうかの境界線がスッキリ・ハッキリする気がします。

 

-厚生労働省
-原則禁忌, 慎重投与, 添付文書

執筆者:ojiyaku


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

関連記事

zaimu-syo

「地域連携薬局」が2022年度の調剤報酬に加味されるかどうか

「地域連携薬局」が2022年度の調剤報酬に加味されるかどうか 2021年8月に施行された「地域連携薬局」という施設基準について、2021年時点では調剤報酬には影響しておらず、施設基準を満たしたからとい …

AG薬が発売された薬の薬価をどんどん下げましょうというルールについて

AG薬が発売された薬の薬価をどんどん下げましょうというルールについて   2019年6月26日、厚生労働省の中央社会保険医療協議会薬価専門部会にて、薬価算定に関する話し合いが行われます。話し …

otc-tekiougai

病院から処方される風邪薬は、やっぱり保険適応外とはならない?

病院から処方される風邪薬は、やっぱり保険適応外とはならない? 2019年12月19日、政府は全世代型社会保障検討会議が中間報告をまとめました。 11月中の話題としては ・後期高齢者の自己負担割合を2割 …

2019-zaimusyo

財務省が考える令和時代の調剤薬局のありかたについて

財務省が考える令和時代の調剤薬局のありかたについて   2019年6月19日、財務省の財政制度等審議会において「令和時代の財政の在り方に関する建議(全314ページ)が公開されました。財務省が …

kokuho-GE

保険者別の後発医薬品使用割合を公表、高知県医師国保が36.4%

保険者別の後発医薬品使用割合を公表、高知県医師国保が36.4% 後発医薬品の数量シェア80%を目指す厚生労働省は、平成30年9月診療における国民健康保険請求分について、保険者別の後発医薬品使用割合を初 …