おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

めまい ジェネリック医薬品(後発医薬品) 痺れ・冷え・末梢神経障害

後発医薬品数量シェアに影響するイソバイドシロップ(先発)の割合

投稿日:2018年6月2日 更新日:

後発医薬品数量シェアに影響するイソバイドシロップ(先発)の割合

 

イソバイドシロップ70%という先発医薬品があります。

 

イソバイドシロップ70% 500ml包装

イソバイドシロップ70%分包20ml包装

イソバイドシロップ70%分包23ml包装

イソバイドシロップ70%分包30ml包装

 

イソバイドシロップには上記のように、さまざまな分包品が販売されています。各種イソバイドシロップ70%包装の中で、500ml包装品だけが後発医薬品数量シェアに影響する割合非常に高い製剤となっております。そのため「イソバイドシロップ70%500ml包装を患者様へお渡しした後、後発医薬品数量シェアの低下には注意が必要です。

めまい(眩暈)症状改善薬の各種はたらきについて

例えば

イソバイドシロップ70%分包30ml を1日2回、1回1包(30ml)飲む 30日分

という処方が出た場合、30ml包装品をトータル60包調剤します。この場合“60個(錠)の先発医薬品を調剤した“ という解釈となります。

 

イソバイドシロップは先発医薬品ですので

後発医薬品数÷(後発医薬品数 + 先発医薬品)という後発医薬品数量シェアの計算式でいうところの分母には60という数字が加わることになります。

イソバイドを飲みやすくするためにオレンジジュースやコーラで倍量希釈

一方で

イソバイドシロップ70% 50ml を1日2回に分けて1回25mlずつ飲む 30日分

という処方が出た場合、25ml分包品という商品はありませんので500ml包装を使用してトータルで1500mlを調剤します。この場合”1500個(錠)の先発医薬品を調剤した”という解釈となります。

 

上記の後発医薬品数量シェアの計算式でいうところの分母には1500という数字が加わることになります。

 

イソバイドシロップに関しては、包装品(23mlや30mlなど)が処方された場合は1包装品を1個とカウントしますが、分包品ではなく液量で処方された場合は“液量の総量=個数”としてカウントするルールとなっております。このようなルールのため液量調剤(後者の場合)は大量の先発医薬品を調剤することになりますので、後発医薬品数量シェアが低下する要因となります。

 

イソバイドシロップ70%500mlには該当するジェネリック医薬品としてイソソルビド内用液70%「CEO」という商品があるのですが、ジェネリック医薬品の味が非常に甘いということで、なかなか患者様に利用してもらえない印象があります。せめて飲みやすいジェネリック医薬品があれば・・・と思うのですが、なんともなりません。さらに、ジェネリック医薬品へ変更したしても先発品とジェネリック医薬品との価格差がほとんどないため、患者様負担がほとんど変わらないことも変更調剤が進まない理由の一つとなっております。

 

このように“包”か“液量“かによって後発医薬品数量シェアへの影響力に違いがある製剤としては目薬があげられます。

白内障治療薬として使用される

“カリーユニ点眼液0.005%5ml”は「1本=1個の後発医薬品を調剤した」とカウントします。

 

同一有効成分である

“ピレノキシン点眼液用0.005%「ニットー」5ml“は「5ml=5個の後発医薬品を調剤した」とカウントします。(平成31年3月31日までの措置です)

 

同一有効成分の後発医薬品を同じ量調剤したにも関わらず、上記2剤を調剤したあとの後発医薬品数量シェアには差が生じます(ピレノキシン点眼液を調剤した方が後発率が上がります)。

国策として「後発医薬品の使用量をあげましょう」という旗のもとで取り組んでおりますので、上記のようなルールについては、なんとかしていただければなぁと感じております。

tab3

tab3

-めまい, ジェネリック医薬品(後発医薬品), 痺れ・冷え・末梢神経障害
-イソバイド, 先発, 影響, 後発医薬品数量シェア, 後発率

執筆者:ojiyaku


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

red-tab1

イグザレルト錠10mg/15mgのジェネリック医薬品はいつ発売となるか?

イグザレルト錠10mg/15mgのジェネリック医薬品はいつ発売となるか? 追記:2024年1月8日 イグザレルト錠のジェネリック医薬品に関する情報がupdateされました。 ジェネリック医薬品メーカー …

choice-generic-drugs

後発医薬品を医療機関が選ぶ際の採用基準(ジェネリック医薬品の選定理由)

後発医薬品を医療機関が選ぶ際の採用基準(ジェネリック医薬品の選定理由)   医療費削減のために診療報酬改定を経るごとに後発医薬品の使用率が高くなっておりますが、病院や薬局が後発医薬品を選ぶ基 …

Zyloric-Peripheral-arterial-disease

ザイロリック(アロプリノール)による末梢動脈疾患リスクの減少について

ザイロリック(アロプリノール)による末梢動脈疾患リスクの減少について   ザイロリック(アロプリノール)の服用が高齢者の末梢動脈疾患リスクを低下することについて米国の研究チームが報告を行いま …

nanofiber-sheet

末梢神経に直接巻いて神経再生を促す手根管症候群治療薬の治験開始

末梢神経に直接巻いて神経再生を促す手根管症候群治療薬の治験開始   大阪大学・材料研究機構・日本臓器製薬は、末梢神経に直接巻いて神経再生を促す薬剤含有ナノファイバーシートの開発を行い、手根管 …

kourousyou

厚生労働省が鎮咳薬などの増産に関する補助金交付の募集開始(2023/12/26)

厚生労働省が鎮咳薬などの増産に関する補助金交付の募集開始(2023/12/26) 厚生労働省は製薬メーカーに対して、鎮咳薬などの増産に関する補助金交付の募集を開始しました。 医療上の必要性の高い医薬品 …

  google adsense




2023年12月発売予定のGEリスト(エクセルファイル)

2023年12月発売予定のGEリスト(エクセルファイル)

2023年4月薬価改定 新旧薬価差比較データ(エクセルファイル)

2022年4月薬価改定。新旧薬価差比較データ(エクセルファイル)

おじさん薬剤師の働き方

how-to-work

薬剤師の育成について

how-to-bring-upo

日医工・沢井・東和・日本ジェネリック・日本ケミファ・アメルの出荷調整リスト

日医工・沢井・東和・日本ジェネリック・日本ケミファ・アメルの出荷調整リスト




how-to-work