おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

降圧剤

高血圧の初期治療に関する具体的な指針と血圧をはかるときの姿勢について(2018年2月)NEJM

投稿日:2018年3月19日 更新日:

高血圧の初期治療に関する具体的な指針(2018年2月)NEJM

 

New Engl J Medによる高血圧の初期治療(2018年2月)が公開されました。

 

〜高血圧stage1〜

  • 血圧が130/80〜140/90mmHgの方
  • 既存の心血管疾患、糖尿病、慢性腎疾患の症状がない場合は心血管疾患リスク計算で10%未満の方

高血圧の初期治療(2018年2月)

上記に該当する方は3〜6ヶ月間ライフスタイルの改善を実施することを推奨します。

 

〜高血圧stage2〜

  • 血圧が140/90mmHg以上の方
  • 既存の心血管疾患、糖尿病、慢性腎疾患の症状がある方、心血管疾患リスク計算で10%以上の方

(心血管疾患リスク計算方法:年齢や血圧、コレステロール、病歴、喫煙歴などを入力する画面に移ります)

 

上記に該当する方はライフスタイルの変更に加えて降圧薬による治療が推奨されます。

アムロジピンの24時間降圧効果について

~ライフスタイルの変更内容~

・減塩:食事中の塩分量を1日3.8g以下に抑えます

・運動:有酸素運動を週90~150分(1日13~21分の歩行)

・アルコールを減らす:男性ではビール700ml、ワイン300ml、ウイスキー90ml、女性はその半分の量

・カリウムの多い食事(野菜・果物・海藻・大豆など)を取ります

・NSAIDS、うっ血除去薬(エフェドリン・アドレナリンなど)、アンフェタミンの減量を行います

~降圧治療の推奨薬剤~

・サイアザイド系利尿薬、Ca拮抗薬、ACE阻害薬、ARBの4つから選択する

・薬剤の選択においては患者さんの生活様式、臨床データを考慮する

・塩分摂取量が多い患者では利尿薬が効果的であり、塩分摂取の少ない患者さんではACE阻害薬・ARBが効果的である

・Ca拮抗薬は追加薬として使用する

 

~降圧剤による副作用~

・サイアザイド系利尿薬:服用開始1~2週間でナトリウム濃度をチェックする。低ナトリウム血症に注意

・ACE阻害薬:20%くらいで咳の副作用が起こりえます(血管浮腫はマレ)

・Ca拮抗薬:浮腫みの副作用が起こりえます

アムロジピンの24時間降圧効果について

~血圧の測定方法~

・血圧測定時は背中の椅子の背もたれにつける

・脚は交叉させない(くまない)

・両足を床につける

・腕は心臓の高さにおく

・5分間安静にしてから測定する

非常に簡潔でわかりやすい内容に感じます。調剤薬局で勤務する薬剤師にとっても患者様へお伝えしやすい内容ではないでしょうか。

 

-降圧剤
-両足を地面につける, 背筋を伸ばす, 血圧130/80, 血圧のはかり方, 高血圧

執筆者:ojiyaku


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

関連記事

olmesartan-effect

オルメサルタンの効き目が24時間続く理由/オルメサルタン関連下痢

オルメサルタンの効き目が24時間続く理由/オルメサルタン関連下痢   オルメテック(オルメサルタン)は、良く効く血圧の薬として多くの患者様が使用している降圧剤です。患者様の中にはオルメサルタ …

ARB-inverse-agonist

ARBの違いを代謝経路、インバースアゴニスト、尿酸低下作用、インスリン抵抗性改善作用などの複合要素から検討する

ARBの違いを代謝経路、インバースアゴニスト、尿酸低下作用、インスリン抵抗性改善作用などの複合要素から検討する 降圧剤はいろいろ種類があります。私が勤務している薬局での処方率が高い降圧剤はCa拮抗薬か …

ふらつき (1)

冬から春になって「ふらつき」が気になる高齢の方の話(自分まとめ)

冬から春になって「ふらつき」が気になる高齢の方の話(自分まとめ) 80代女性の患者さんとのお話しです。 高血圧症で10年近くアムロジピン5mgを飲んでいる方が、雪解けが進んだ4月に病院を受診しました。 …

tab6

セララの降圧作用を患者様へお伝えする

セララの降圧作用について セララの降圧作用は選択的アルドステロンブロッカー(SAB)と表現されることもあれば、抗アルドステロン性利尿剤、カリウム保持性利尿薬として分類されることもあります。おそらくすべ …

tab3

配合OD錠という剤形が少ない理由

配合OD錠という剤形が少ない理由   「グルベス配合OD錠がキッセイ薬品工業から発売となります。糖尿病の薬では初の配合剤でありながら口腔内崩壊錠(OD錠)という剤形となっています」というアナ …