名市大病院の耐性菌CRE検出と院内感染事例|経過と背景を徹底解説

名市大病院の耐性菌CRE検出と院内感染事例|経過と背景を徹底解説

はじめに

病院という場所は、本来であれば病気や怪我を治療し、健康を取り戻すための安心・安全な環境であることが求められます。しかし近年、現代医療が直面している極めて深刻な課題の一つとして「薬剤耐性菌(やくざいたいせいきん)」による院内感染の問題が世界的にクローズアップされています。

名古屋市立大学病院(名古屋市瑞穂区)において、抗菌薬が効きにくくなった耐性菌の一種である「カルバペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)」が検出され、院内感染が発生したことが公表されました。報道によると、40代の入院患者1名が亡くなられており、病院側は耐性菌との関連が否定できない「関連死亡疑い」として発表を行っています。また、昨年7月から今年8月までの間に、死亡した患者を含む感染症発症者4名、および症状のない保菌者12名の計16名から菌が検出されたことが明らかになっています。

病院側はこれまでに「第1報」「第2報」「第3報」と段階的に公式文書を公表し、現状の報告と対策の進捗状況を開示してきました。本記事では、公表された3つの報告資料と報道内容をもとに、この耐性菌がどのような特徴を持っているのか、院内で何が起きていたのか、そして病院がどのような対策を行っているのかについて、順を追って詳しく解説していきます。


カルバペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)とは何か

抗菌薬の「最後の砦」が効かない菌

私たちの体内、特に腸の中には、普段から何百種類もの細菌が存在しています。大腸菌や肺炎桿菌(はいえんかんきん)などはその代表例であり、これらは通常、健康な人の腸内では悪さをすることなく共生しています。これらの細菌のグループは医学的に「腸内細菌目細菌(Enterobacterales)」と呼ばれています。

通常、これらの菌が尿路や腹腔内、血液中などに侵入して感染症を引き起こした場合には、「抗菌薬(こうきんやく:抗生物質)」を投与して治療を行います。感染症の治療において、初期に使われる抗菌薬が効かない場合や、重症の感染症に対して最終的に選択される非常に強力で頼りになる薬が「カルバペネム系抗菌薬」です。カルバペネム系は、幅広い種類の細菌に効果を発揮するため、臨床現場ではまさに「最後の砦」として位置づけられています。

しかし、この最後の砦であるカルバペネム系抗菌薬に対して抵抗力(耐性)を獲得してしまい、薬が効かなくなってしまった腸内細菌のことを「カルバペネム耐性腸内細菌目細菌(Carbapenem-resistant Enterobacterales:略称 CRE)」と呼びます。

なぜ世界中で警戒されているのか

CREは、世界保健機関(WHO)が公表している「最も警戒すべき薬剤耐性菌」のリストにおいて、最優先で対策が必要なカテゴリー(クリティカル・プライオリティ)に位置づけられています。

その最大の理由は、治療の選択肢が極端に狭まってしまう点にあります。カルバペネムが効かないとなると、使える抗菌薬の選択肢がほとんど残されていません。場合によっては、副作用が強いために以前はあまり使われなくなっていた古いタイプの抗菌薬や、高価な特殊な薬剤を手探りで組み合わせて治療せざるを得なくなります。

特に、敗血症(細菌が血液中に入り全身に重い炎症を引き起こす状態)や重症の肺炎、腹膜炎などを発症した場合、有効な薬が速やかに投与できないと命に関わる危険性が著しく高まります。また、大学病院のように高度な外科手術、臓器移植、がんの化学療法などを行う現場では、患者さんの免疫力が一時的に大きく低下します。そうした状況でCREのような多剤耐性菌が広がってしまうと、これまで安全に行えていた高度先進医療そのものの安全性が損なわれてしまうという、医療崩壊にもつながりかねない重大なリスクをはらんでいます。


「感染」と「保菌」の決定的な違い

今回の発表資料やニュースを読む上で、正しく把握しておきたい重要な概念が「感染」と「保菌(ほきん)」の違いです。この2つは似ているようで、患者さんの状態や医療現場における対応の意味合いが大きく異なります。

「保菌」とはどのような状態か

「保菌」とは、患者さんの体(腸管内や皮膚など)に菌が存在して定着しているものの、悪さをしておらず、熱が出たり痛みが生じたりといった病気の症状が全く出ていない無症状の状態を指します。

CREは腸内細菌の仲間であるため、便の中に菌が混ざっていても、腸の壁を破って体内に入り込まない限りは症状が出ません。今回の名古屋市立大学病院の事例でも、確認された16名のうち12名は「無症状の保菌者」でした。保菌していること自体は直接的な病気ではないため、原則として抗菌薬による治療は行われません(抗菌薬を使うと、かえって他の常在菌が死滅して耐性菌が増殖しやすくなるリスクがあるためです)。

しかし、保菌している人は「症状がないまま菌を体外に排出し続ける」ことになります。そのため、適切な衛生管理が行われないと、医療従事者の手や病室の設備などを介して、別の患者さんへ菌が移動してしまう原因になり得ます。ここに感染対策上の大きな難しさがあります。

「感染(発症)」とはどのような状態か

一方で「感染」とは、細菌が本来入ってはいけない場所(尿路、肺、血液、手術創など)に侵入し、そこで増殖して炎症や発熱、臓器障害などの症状を引き起こしている状態を指します。

抵抗力が落ちている患者さんや、尿道カテーテル・人工呼吸器・点滴ルートなどの医療器具が体に挿入されている患者さんの場合、保菌していた菌がそれらの器具を伝って体内に侵入し、感染症を発症してしまうことがあります。今回、名古屋市立大学病院で「感染」と診断されたのは4名であり、そのうちの40代の患者さん1名が亡くなられ、耐性菌との関連が否定できない「関連死亡疑い」と判定されました。

このように、「菌を持っているだけの状態(保菌)」と「実際に病気を引き起こしている状態(感染)」を明確に区別して捉えることが重要です。

名古屋市立大学病院


名古屋市立大学病院における発生と経過のタイムライン

名古屋市立大学病院から公表された3つの報告書、および病院幹部への取材報道から明らかになった一連の経過を時系列に沿って整理します。

Code
 
【時系列の流れ】
・昨年7月  :入院時検査で1名からCRE検出(感染対策を実施)
・昨年9月  :同じ病棟の患者1名が保菌(同病棟の全患者調査、以降は新規なし)
・本年3〜6月:複数病棟で7名から散発的に検出(感染4名うち関連死亡疑い1名、保菌3名)
            該当病棟の全患者調査でさらに4名が保菌と判明
・本年6月17日:第1報公表、保健センター・協議会へ報告、スクリーニング体制へ
・本年7月17日:第2報公表、7月以降の新規検出ゼロを報告
・本年8月下旬:入院患者の保菌調査で1名から菌を検出
・本年8月31日:第3報公表、対策と検査の継続を発表
・その後取材 :昨年7月〜今年8月の全体像(感染4名、保菌12名、計16名)が公表

1. 端緒と初期対応(昨年7月〜9月)

発端となったのは、昨年の7月でした。入院時の検査において、患者1名からCREが検出されました。病院側はこの時点で直ちに感染対策を講じて対応にあたりました。

しかし、約2ヶ月後の9月、同じ病棟に入院していた別の患者1名から新たにCREの保菌が確認されました。この時点で病棟内での伝播(水平伝播)が疑われたため、病院は同病棟に入院しているすべての患者さんを対象に保菌調査を実施しました。その結果、新たな検出者は確認されなかったため、引き続き手指衛生などの基本的な感染対策を徹底し、事態は一旦収束に向かったと考えられていました。

2. 複数病棟への拡大と第1報の公表(本年3月〜6月17日)

ところが、年が明けた本年3月から6月にかけて、事態が急展開します。単一の病棟にとどまらず、複数の病棟に入院している患者さん7名から、散発的にCREが検出されたのです。

この7名のうち、4名は実際に感染症を発症しており、その中に含まれていた40代の入院患者さん1名が亡くなられました(関連死亡疑い)。残る3名は無症状の保菌者でした。

複数の病棟から相次いで菌が見つかったことを極めて重く受け止めた病院は、CREが検出された病棟に入院しているすべての患者さんを対象とした大規模な一斉保菌調査を実施しました。その結果、さらに4名の患者さんが無症状でCREを保菌していることが新たに判明しました。

この危機的状況を受けて、病院側は2026年6月17日付で「カルバペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)の検出について」と題した第1報を公表しました。管轄の保健センターおよび国公立大学附属病院感染対策協議会へ事態を報告し、外部の感染症専門医の指導のもとで以下の対策を実施することを表明しました。

  • 患者さんの網羅的な保菌調査の実施

  • 対象病棟の徹底的な消毒および環境調査

  • 院内における感染拡大の監視強化

  • 今後入院してくる患者さんに対する網羅的なスクリーニング検査の開始準備

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3. 沈静化への取り組みと第2報の公表(本年7月17日)

第1報の公表後、病院は国公立大学附属病院感染対策協議会からの改善支援を直接受けながら、感染対策のレベルを一段と引き上げました。

具体的には、医療従事者の手指衛生の徹底をはじめ、対象病棟の消毒、患者さんの環境表面の拭き取り調査、そして入院中および新規入院患者に対する検査の継続を行いました。

その結果、7月17日に公表された第2報では、「7月以降には新たな患者からの菌の検出はみられていない」ことが報告されました。徹底した封じ込め対策が効果を上げ、感染の拡大傾向に歯止めがかかりつつあるかのように見えました。

4. 8月下旬の再検出と第3報の公表(本年8月31日)

しかし、耐性菌の制御は一筋縄ではいきませんでした。8月31日に出された第3報において、7月中は新たな検出がなかったものの、8月下旬に行った入院患者さんの定期的な保菌調査において、新たに1名から菌が検出されたことが明らかにされました。

耐性菌が一度院内に入り込むと、完全にゼロにする(根絶する)ことがいかに困難であるかを物語る結果となりました。病院側は、引き続き患者さんの安全を最優先とし、感染予防策の継続、スクリーニング検査、定期的な保菌調査を緩めることなく実施していく方針を示しています。

5. 報道による全体像の判明

その後、病院幹部(副病院長および感染制御部長)が報道各社の取材に応じ、昨年7月から今年8月までの約1年強にわたる全体像が整理されて伝えられました。確認された陽性者は、死亡した1名を含む感染発症者4名、および無症状の保菌者12名の合計16名に上ることが確定情報として示されました。


病院が実施している感染対策の具体的内容

病院内で耐性菌が見つかった場合、医療現場ではどのような対策が講じられるのでしょうか。公表資料に記載されている取り組みの背景と具体的な意義を掘り下げます。

手指衛生の徹底

院内感染対策において、最も基本的でありながら最も効果が高いとされるのが「手指衛生(手洗いおよびアルコール製剤による手指消毒)」です。

腸内細菌目細菌は、空気感染(空気中を漂って広がる)をする菌ではありません。主な感染経路は「接触感染」です。菌を持っている患者さんの体に触れた医療スタッフの手、あるいは患者さんが触れたベッドの柵、トイレのドアノブ、ナースコールなどを介して、別の医療スタッフや患者さんの手へと菌が付着し、それが口や医療処置部位に触れることで広がっていきます。

したがって、処置の前後、病室への出入りのたびに確実な手指衛生を行うことが、伝播の連鎖を断ち切る最大の防壁となります。

環境調査と徹底的な病棟消毒

CREは環境表面(ベッドサイドのテーブル、流し台、トイレ設備など)でも一定期間生存することが知られています。特に水分がある場所(水回りや排水口など)は細菌の温床になりやすい特徴があります。

病院が行った「環境調査」とは、病室内のどこに菌が付着しているかを綿棒などで拭き取って培養検査し、汚染箇所を特定する作業です。汚染が疑われるエリアに対しては、次亜塩素酸ナトリウムなど適切な消毒薬を用いて集中的な消毒・清掃作業が行われます。

保菌調査(アクティブ・サーベイランス)

保菌調査とは、症状の有無にかかわらず、入院患者さん全員の便や直腸ぬぐい液などを採取して菌の有無を調べる積極的な検査(アクティブ・サーベイランス)のことです。

前述の通り、CREを保有していても大部分の人は無症状です。症状が出た人だけを検査していると、無症状の保菌者を見落としてしまい、水面下で感染が拡大してしまいます。入院患者さんを一斉に調べることで、「誰が菌を持っているのか」を正確に把握し、その患者さんに対して個別の接触予防策(ガウンや手袋の着用、個室隔離など)をとることが可能になります。

新規入院患者へのスクリーニング検査

第1報以降に導入された「入院時スクリーニング検査」は、院外からの菌の持ち込みを防ぐための極めて重要な水際対策です。

CREは病院の中だけで自然発生するわけではありません。別の医療機関からの転院患者さんや、海外渡航歴のある方、過去に抗菌薬を長期間使用していた方などが、知らず知らずのうちに保菌して来院するケースがあります。入院の初期段階で検査を行い、陽性であった場合に直ちに対策を講じることで、他の病棟や患者さんへの広がりを未然に防ぐことができます。

外部専門機関との連携

名古屋市立大学病院は、問題発生後に管轄の保健センターへ速やかに報告するとともに、「国公立大学附属病院感染対策協議会」へ支援を要請しました。

院内感染対策は、当事者である病院単独の視点だけでは盲点が生じることがあります。外部の感染症専門医や感染管理認定看護師などの専門家チームが客観的に現場を視察し、動線の見直しや衛生手順の再評価を行うことで、より実効性の高い改善策を講じることができます。


CREの院内対策が極めて難しいとされる理由

徹底的な対策を講じているにもかかわらず、7月に一度落ち着いた新規検出が8月下旬に再び確認されたように、CREの封じ込めは専門家の間でも非常に難易度が高いとされています。それにはいくつかの医学的・環境的要因があります。

症状がないため見えないところで広がる

最も大きな障壁は、先述した「無症状保菌」の存在です。発熱や下痢などの症状があれば、医療従事者も患者さん自身も警戒し、すぐに検査を行います。しかし、何一つ症状がない状態では、定期的な検査を行わない限り菌の存在に気づくことができません。

検査を行って陰性が確認されたとしても、その時点では検出限界以下のごく微量だった菌が、その後の体調変化や抗菌薬投与によって増殖し、後になって陽性化することもあります。

高齢者や重症患者が集まる大学病院の環境

大学病院には、高度な手術を控えた患者さん、進行したがんの治療を受けている患者さん、免疫を抑える薬を飲んでいる患者さんなど、感染防御機能が低下した重症患者さんが数多く入院しています。

健康な人であれば保菌しても自身の免疫力で抑え込める菌であっても、基礎疾患を抱える患者さんの体内に入ると、重篤な日和見感染症を引き起こすリスクが高くなります。また、点滴の管やドレーンチューブ、尿道カテーテルなどの医療機器が留置されている頻度が高いことも、細菌の侵入ルートになりやすい要因です。

市中(院外の地域社会)に保菌者が潜在している可能性

報道の中で感染制御部長らが指摘しているように、「耐性菌は院外に保菌者がいる可能性がある」という点も見過ごせません。

従来、薬剤耐性菌は「病院の中で抗菌薬を多用することによって生まれるもの」という認識が一般的でした。しかし現在では、海外からの持ち込みや地域社会(市中)での広がりにより、健康な市民の間でも知らないうちにCREなどの耐性菌を腸内に保菌しているケースが散見されるようになっています。

つまり、院内での対策をどれだけ完璧に近づけても、外来や新規入院という形で外部から繰り返し菌が持ち込まれるリスクが常に存在しているのです。

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今回の一連の出来事は、特定の病院の中だけで完結する特殊な事故ではなく、現代社会全体が直面している「薬剤耐性(AMR:Antimicrobial Resistance)」という地球規模の課題の一環です。

抗菌薬の効かない世界がもたらす脅威

抗菌薬の発見と普及は、かつて不治の病であった多くの感染症を克服し、人類の寿命を大きく延ばしました。しかし、抗菌薬を使い続ける過程で、細菌側も生き残るために遺伝子を変異させ、薬に対する耐性を獲得してきました。

新たな抗菌薬が開発されても、数年後にはそれに耐性を持つ菌が現れるという「いたちごっこ」が続いています。さらに近年では、新しい抗菌薬の開発スピード自体が鈍化しており、耐性菌の進化のスピードに追いつかなくなりつつあります。

適切な対策が講じられない場合、2050年には薬剤耐性菌による世界全体の年間死亡者数が1,000万人を超え、がんによる死亡者数を上回るという国際的な試算も発表されています。

私たち一人ひとりに求められる向き合い方

耐性菌と聞くと強い不安を感じるかもしれませんが、日常生活において過剰に恐れたりパニックに陥ったりする必要はありません。健康な人の免疫機能が正常に働いていれば、仮に菌が体内に付着したとしても、直ちに重大な病気になるわけではないからです。

私たちが日常生活の中で実践できる、そして医療を支えるために重要となるポイントは以下の通りです。

  1. 基本的な手指衛生の習慣化

    食事の前やトイレの後、外出先から帰宅した際の手洗いは、インフルエンザなどのウイルス対策だけでなく、耐性菌を含むあらゆる細菌の接触感染を防ぐ最も有効な手段です。

  2. 処方された抗菌薬の正しい服用

    風邪(かぜ)の多くはウイルスが原因であるため、細菌を殺すための抗菌薬は効果がありません。医師が必要と判断して処方された抗菌薬については、自己判断で途中で服用をやめたり、残った薬を後から勝手に飲んだりせず、指示通りに最後まで正しく飲み切ることが耐性菌の発生を防ぐために重要です。中途半端な服用は、生き残った菌が薬への耐性を獲得するきっかけを与えてしまいます。

  3. 医療機関を受診する際の協力

    病院に入院する際、問診で過去の入院歴や海外渡航歴を聞かれたり、検査への協力を求められたりすることがあります。これらはすべて、院内感染を未然に防ぎ、患者さん自身と同室の患者さんを守るための大切なステップです。


まとめ

名古屋市立大学病院で発生したカルバペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)の検出事例について、公表資料と報道内容をもとにその経緯と背景を整理しました。

最後に、本記事の重要ポイントをまとめます。

  • 検出された細菌:最後の砦とされるカルバペネム系抗菌薬が効かない「CRE(カルバペネム耐性腸内細菌目細菌)」です。

  • 被害と影響の全体像:昨年7月から今年8月までに、関連死亡が疑われる1名を含む感染症発症者4名、および無症状の保菌者12名の計16名が確認されました。

  • 経過の推移

    • 昨年7月に初検出、9月に病棟内で保菌確認。

    • 本年3〜6月に複数病棟へ散発し、関連死亡疑いが発生(6月に第1報公表)。

    • 感染対策の強化により7月は新たな検出が途絶える(7月に第2報公表)。

    • 8月下旬の保菌調査で新たに1名が検出され、継続的な厳重警戒体制が敷かれている(8月末に第3報公表)。

  • 病院の対応策:手指衛生の徹底、病棟の消毒と環境調査、入院中および新規入院患者に対する積極的な保菌調査・スクリーニング検査を継続して実施しています。

  • 感染対策の課題:無症状の保菌者が存在すること、重症患者の多い大学病院であること、そして地域社会(院外)からの持ち込みリスクがあることから、耐性菌の根絶には極めて緻密で長期的な取り組みが必要です。

薬剤耐性菌の問題は、医療機関のスタッフによる日々の感染管理の努力はもちろんのこと、外部からの持ち込みを防ぐ水際対策や、社会全体での抗菌薬の適正な使用に対する理解があってこそ克服できるものです。病院側の真摯な情報開示と対策の継続を見守るとともに、私たち自身も衛生習慣の徹底など、身近にできる意識を高めていくことが大切です。

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