日医工の経営状況は2023年3月時点で「426億円の赤字」
経営再建中の日医工が2023年3月期(単体)の決算を公開し、426億7900万円の赤字(純損失)を開示しました。
2020年12月に小林化工株式会社の出荷停止をきっかけに、日医工の連結子会社であるエルメッドに製造委託していた製品の販売が中止となりました。その後、富山第一工場が2021年3月に業務停止処分を受け、品質管理を改善しながら経営再建を図っている状況です。
経営状況を確認してみると
2020年3月:純利益51億3300万円
2021年3月:純利益:-41億7900万円
2022年3月:純利益:-746億3500円
2023年3月:純利益:-426億7900万円
日医工は2022年末に事業再生裁判外紛争解決手続き(ADR)が成立し、金融機関からの債務免除が認められており、2023年3月の純損失が426億円まで赤字幅が縮小しています。
とはいえ、ADR成立時に開示した事業再生計画では2023年3月期の純損失見込みを34億円(34億円の赤字)と予定していたこを踏まえると、赤字幅は12倍以上である状況であるため、黒字化への道は難航しています。
(予定では2026年3月期の黒字化を目指すとしています)
(日医工は15社の金融機関から1570億円のお金を借り入れていましたが、そのうち最大で985億円までの債務が免除となることが決まっています)
日医工は経営再建を図るために2023年7月までに3回の不採算品目の販売中止を行っています。
第一弾:95品目の販売中止(2022年11月)
第二弾:221品目の販売中止(2023年3月)
第三弾:258品目の販売中止(2023年7月)
また、自社の事情を理由として以下の品目の出荷量を減少しています。
「トリプタノール10mg/25mg」を他剤へ切り替えを検討してください
「イコサペント酸エチル粒状カプセル900mg「日医工」を他剤へ切り替えを検討してください
大赤字からの立て直しのための経営再建とはいえ、必要な医薬品の出荷量を減少することは避けていただきたい・・・・というのが現場の感想です。