- 2026年度の診療報酬:疑義解釈(その3)(その4)
- 2026年度の診療報酬:疑義解釈(その1)が開示:地域支援・医薬品供給対応体制加算に関して
- 2026年度の診療報酬(短冊)が公開!「後発医薬品調剤体制加算の廃止」と「調剤管理料が2区分へ」がポイント
- 1. 調剤基本料の見直し:立地依存からの脱却と「面分業」の推進
- 2. 地域支援体制加算から「地域支援・医薬品供給対応体制加算」へ
- 3. 調剤管理料の簡素化:日数の「4区分」から「2区分」へ
- 4. 重複投薬・残薬対策の評価新設:患者の安全と経済性の向上
- 5. 吸入薬管理指導加算の拡充:インフルエンザ患者も対象に
- 6. バイオ後続品(バイオシミラー)の使用促進
- 7. 長期収載品の「選定療養」導入:患者負担が変わる大きな転換点
- 8.「医療DX推進体制整備加算」から「電子的調剤情報連携体制整備加算」へ
- 9. 「かかりつけ薬剤師指導料」の廃止と再編
- 10. 在宅医療
2026年度の診療報酬:疑義解釈(その3)(その4)
2026年4月20日、21日に疑義解釈(その3)、(その4)が公開されました。
調剤関連の内容を以下に記すとともに、PDFも添付いたします。必要な方は以下よりdownloadしてください。ブラウザはgoogle chormeを推奨いたします。
調剤関連の疑義解釈について以下に記します。
(その3)より
調剤報酬点数表関係
【調剤基本料】
問1 「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日付け保医発0305第8号。以下「特掲施設基準通知」という。)の第88の2 調剤基本料2の2(4)エで示す「介護保険法で定める介護老人福祉施設、介護老人保健施設及び介護医療院、高齢者住まい法で定めるサービス付き高齢者向け住宅並びに老人福祉法で定める有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム及び認知症高齢者グループホームに入居する患者に係る処方箋」については、服薬管理指導料又は在宅患者訪問薬剤管理指導料のいずれを算定したかにかかわらず、特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数及び当該期間に受け付けた全ての処方箋の受付回数のいずれからも除いて処方箋集中率を計算するのか。
(答)そのとおり。
【地域支援・医薬品供給対応体制加算】
問2 特掲施設基準通知の第92 地域支援・医薬品供給対応体制加算の2(3)コ(ト)の「薬事未承認の研究用試薬又は検査サービス」とは、具体的にはどのようなものを指すのか。
(答)公衆衛生の向上及び増進の観点から、
・「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)等に抵触するおそれのある、疾病の診断や罹患リスクの判定を行うことができると標榜する研究用試薬又は検査用試薬や、
・医師法等に抵触するおそれのある、疾患の罹患可能性の提示や診断等の医学的判断を行う検査サービスを指す。
問3 問2に関し、地域支援・医薬品供給対応体制加算を算定するに当たり、薬機法等に抵触するおそれのない研究用試薬又は検査用試薬や、医師法等に抵触するおそれのない検査サービスを販売又は提供をしても差し支えないか。
(答)差し支えない。
【その他】
問4 「「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」の一部改正について」(令和8年3月27日付け保医発0327第7号)の2 療養の給付と直接関係ないサービス等(5)エの「在留外国人の診療に当たり必要となる多言語対応に要する費用(通訳の手配料や翻訳機の使用料等)」について、保険薬局における調剤時に当該対応に要する費用についても費用徴収の対象として差し支えないか。
(答)差し支えない。なお、当該サービスに限らず、本通知に掲載されている療養の給付と直接関係ないサービス等であって、保険薬局において提供しうるものについては、保険薬局における当該提供に要する費用についても費用徴収の対象として差し支えない。
(その4):調剤に関する疑義解釈はありませんが、栄養保持を目的とした医薬品についての解釈がありましたので記載します。
【栄養保持を目的とした医薬品の品目について】
問33 「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和8年3月5日保医発0305第6号)に、「栄養保持を目的とした医薬品とは、薬効分類がたん白アミノ酸製剤に分類される医薬品のうち、効能又は効果が「一般に、手術後患者の栄養保持」であるものであって、用法及び用量に経口投与が含まれるものをいう。」とあるが、栄養保持を目的とした医薬品に該当する具体的な品目は、次のとおりでよいか。
・イノラス配合経腸用液
・エネーボ配合経腸用液
・エンシュア・H
・エンシュア・リキッド
・ツインラインNF配合経腸用液
・ラコールNF配合経腸用液
(答)そのとおり。
2026年度の診療報酬:疑義解釈(その2)地域支援・医薬品供給対応体制加算に関して
2026年4月、令和8年度診療報酬改定に関する疑義解釈(その2)が公開されました。
調剤に関しては地域支援・医薬品供給対応体制加算に関する解釈が記載されていましたので、PDFファイルを添付します。
【調剤基本料】
問1 「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日付け保医発0305 第8号。以下「特掲施設基準通知」という。)の第88 の2 調剤基本料2の2(3)にある、「いわゆる医療モールの場合においては、当該医療モールにある全ての保険医療機関に係る処方箋の受付回数を合算し、特定の保険医療機関に係る処方箋の受付回数とみなして、処方箋集中率を算出する」という計算方法は、いわゆる医療モールである建物又は敷地の外にある保険薬局が集中率を計算する場合にも適用されるのか。
(答)そのとおり。
問2 特掲施設基準通知の第88 の2 調剤基本料2の2(6)のエ「保険医療機関、保険薬局等を複数集合させることを目的として、不動産開発業者等が開発の企画、不動産の取得、建築物の建設、入居の募集等を行った敷地又は建物である場合」について、医療モールや医療ビレッジ等と称している又は称させている場合は、これに該当するか。
(答)一連の保険医療機関等の群とみなされるように称している又は称させている場合には、特掲施設基準通知の第88 の2 調剤基本料2の2(6)のエに該当する。
【地域支援・医薬品供給対応体制加算】
問3 地域における医薬品の安定供給を確保するために必要な体制として、「直近1年間において、他の保険薬局に医薬品を分譲した実績があること。また、分譲を行った際には分譲に係る伝票又は医療用医薬品の譲渡書を2年間保存すること。ただし、同一開設者の保険薬局への医薬品の分譲
は、当該実績に含めない。」とあるが、別紙様式4-1により保存する必要があるか。
(答)別紙様式4-1に示す医薬品の販売授与証明書の他、任意の様式の伝票又は譲渡書を2年間保存することで差し支えない。
問4 地域支援・医薬品供給対応体制加算1の施設基準として、「医薬品を分譲した実績」とあるが、保険医療機関への医薬品の分譲も含まれるか。
(答)含まれる。
問5 第92 地域支援・医薬品供給対応体制加算の2(3)コ(ヘ)に規定されるセルフメディケーション関連医療機器は、承認又は認証を得た医療機器である必要があるか。
(答) 体重計、握力計を除き、承認又は認証を得た医療機器である必要がある。
問6 第92 地域支援・医薬品供給対応体制加算の2(3)コ(ヘ)について1製品が複数の機能を兼ね備えている場合、①から⑦までのうち、3つの機能を果たせるのであれば、3製品未満の設置している場合も、要件を満たすものと考えてよいか。
(答)よい。
問7 地域支援・医薬品供給対応体制加算の施設基準として、「薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得した保険薬剤師が、地域の多職種と連携する会議へ出席すること」とあるが、具体的にどのような会議への出席を指すか。
(答)「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和2年3月31 日付事務連絡)別添4の問4で示すものの他、以下のような会議も対象となる。また、これに限定するものではなく、地域医療に貢献するような多職種連携会議であれば、対象となり得る。
・在宅療養中の小児が学校生活を送るにあたり、医師、教員、看護師、相談支援専門員、リハビリテーション専門職、管理栄養士等が参加して多職種で支援内容を協議する連携会議
・小児在宅医療に関して、医師、看護師、病院薬剤師、相談支援専門員、リハビリテーション専門職等が参加する多職種連携会議
・障害者福祉支援に関する多職種連携会議(サービス管理責任者等が主催するものを含む。)
~令和2年3月31 日 疑義解釈資料の送付について(その1)の別添4~
問4 地域支援体制加算の施設基準における「地域の多職種と連携する会議」とは、どのような会議が該当するのか。
(答) 次のような会議が該当する。
ア 介護保険法第115 条の48 で規定され、市町村又は地域包括支援センターが主催する地域ケア会議
イ 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11 年厚生省令第38 号)第13 条第9 号で規定され、介護支援専門員が主催するサービス担当者会議
ウ 地域の多職種が参加する退院時カンファレンス
【門前薬局等立地依存減算】
問8 令和8年6月以降に新規開設する保険薬局にて、開設時点で処方箋集中率以外の要件を全て満たしている場合、いつから門前薬局等立地依存減算が適用されるか。
(答)開設する日が属する月の翌月1日から3か月間の処方箋集中率で判定し、当該3か月間の最終月の翌々月1日から適用する。例えば、6月1日に開設した場合、7月から9月の処方箋集中率の実績が要件を満たす場合は、11 月1日から適用することとなる。
問9 第95 の3 門前薬局等立地依存減算の2(1)について、「令和8年5月31 日において現に保険指定を受けている保険薬局については、当面の間、門前薬局等立地依存減算に該当しないものとする。」とあるが、令和8年5月31 日以前に指定を受けている保険薬局において、移転、法人化
又は開設者の交代に伴い、改めて保険薬局の指定を受け、指定年月日が令和8年6月1日以降となった場合、門前薬局等立地依存減算に該当しうるか。
(答)門前薬局等立地依存減算には該当しない。
【調剤時残薬調整加算】
問10 「調剤する薬剤を減量した上で保険医療機関に情報提供」の欄にその旨の記載がある処方箋を受け付け、減数調剤を行った際に、残薬が生じている理由を薬学的に分析した上で、処方箋を発行した保険医療機関に対して文書により情報提供を行った場合、服薬情報等提供料1を算定することはできるか。また、調剤時残薬調整加算を併せて算定することは可能か。
(答)いずれも可能。
問11 残薬発見時の減数調剤に係る対応が、問合せの簡素化プロトコルとして地域で策定されており、当該プロトコルどおりに減数調剤した後に事後報告のみで差し支えないと定められている場合、当該減数調剤について調剤時残薬調整加算を算定することができるか。
(答)7日分以上相当の調剤日数の変更が行われた場合は、算定可能。また、6日分以下相当の調剤日数の変更を行う場合には、残薬が7日分を超えないにもかかわらず調整する必要性を調剤報酬明細書に記載することで算定可能である。ただし、簡素化プロトコルに策定されていることを理由にすることは不可とする。
【薬学的有害事象等防止加算】
問12 重複投薬を検知した際の対応等が、問合せの簡素化プロトコルとして地域で策定されており、当該プロトコルどおりに薬剤調整した後に事後報告のみで差し支えないと定められている場合、当該調整について薬学的有害事象等防止加算を算定することができるか。
(答)薬学的有害事象等防止加算は疑義照会に係る対応を評価するものであるため、算定不可。
【服薬管理指導料】
問13 かかりつけ薬剤師に関して、患者又はその家族等から受け取った、患者の署名がある同意書を保存している場合は、お薬手帳にかかりつけ薬剤師の氏名を記入する必要はないか。
(答)患者又はその家族等からの署名がある同意書の有無にかかわらず、原則としてお薬手帳に記入しなければならない。
問14 「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和8年3月5日保医発0305 第6号)別添3の「区分10の3」服薬管理指導料の2(2)ウについて、「原則として、別の保険薬局のかかりつけ薬剤師の氏名が記載されている手帳に上書きしてはならないこと」とあるが、かかりつけ薬剤師を変更する場合はどのように対応すべきか。
(答)かかりつけ薬剤師の離職又は患者の希望によりかかりつけ薬剤師を変更する場合は、お薬手帳に上書きを行い、変更の旨と日付を薬剤服用歴に明記すること。
問15 特掲施設基準の第97 の2 服薬管理指導料の注1に規定する保険薬局の2(2)について、「当該保険薬局に勤務する常勤の保険薬剤師(派遣労働者である者を含み、産前産後休業中、育児休業中又は介護休業中の者を除く。)について、当該保険薬局に継続的に在籍している期間(産前産後休業、育児休業又は介護休業から復職した保険薬剤師の休業前の在籍期間を含む。)が平均して1年以上であること。」とあるが、「当該保険薬局に継続的に在籍している期間」に、週31 時間未満の勤務である期間も計上してよいか。
(答)週31 時間以上勤務した期間のみを通算すること。
問16 在宅患者訪問薬剤管理指導料を算定している患者又は介護保険における要介護被保険者若しくは居宅要支援被保険者については、かかりつけ薬剤師に関する患者又はその家族等からの同意を得た旨をお薬手帳に記入する必要はあるのか。
(答)お薬手帳を活用している場合は、記入すること。
問17 かかりつけ薬剤師について、お薬手帳のコピー等は、紙媒体の情報の
保管が必要か。
(答)必ずしも紙媒体での保管を要さず、スキャンデータや写真を、電子データとして保管することでも差し支えない。この場合において、データ管理については、サイバー攻撃に対する対策を含めセキュリティ全般について適切な対応を行うこと。
問18 かかりつけ薬剤師について、電子版お薬手帳の場合、コピー等の保管
はどのように行えばよいか。
(答)例えば、以下のような手法が考えられる。
・電子お薬手帳相互閲覧サービス等により、薬局の端末に表示された電子版お薬手帳の該当情報を、画像データとして保管する。
・患者のスマートフォンの画面のスクリーンショットを当該保険薬局に送信し、画像データとして保管する。
・患者のスマートフォンの画面を撮影し、写真を保管する。
・患者の電子版お薬手帳を閲覧し、必要な情報を紙媒体や文書編集ソフト等に転記して保管する。このとき、患者にその写しを交付することが望ましい。
なお、電子版お薬手帳の場合のコピー等の保管については、紙媒体での保管又は電子データとして保管のいずれでも差し支えない。電子データの管理においては、サイバー攻撃に対する対策を含めセキュリティ全般について適切な対応を行うこと。
問19 かかりつけ薬剤師について、電子版お薬手帳の場合、かかりつけ薬剤師の氏名が記載されている手帳に上書きしないことを担保すること等のために、何らかのシステム的な対応が必要か。
(答)必ずしもシステム改修は要さない。また、「薬剤師の氏名の近傍に「かかりつけ」の文字を記入」することについても、電子版お薬手帳上で、かかりつけ薬剤師の氏名等を容易に確認することが可能であれば、必ずしも「かかりつけ」の文字を記入できるようにするようなシステム改修は要さない。
【特定薬剤管理指導加算3】
問20 令和8年6月以降、長期収載品の選定療養に係る特別の料金について、先発医薬品と後発医薬品の薬価の差額の2分の1相当の徴収となる変更を踏まえ、過去に長期収載品の選定療養に関する説明を既に行っている患者に対し、当該変更について改めて説明を実施した場合、特定薬剤管理指
導加算3(ロ)を算定することは可能か。
(答)自己負担額が変更となる医薬品に関して、最初に処方された1回に限り算定可能。
【かかりつけ薬剤師フォローアップ加算】
問21 調剤を実施し、後日、かかりつけ薬剤師フォローアップ加算に係る業務を行い、同一保険薬局で再度処方箋を受け付けた際、当該患者のかかりつけ薬剤師が不在であった場合も、かかりつけ薬剤師フォローアップ加算を算定可能であるか。
(答)算定可能。ただし、服薬管理指導料1のロ又は2のロと併せて算定する際には、電話等によりフォローアップした旨及び日時、実施した聞き取りや指導等の内容等に加え、かかりつけ薬剤師の氏名を薬剤服用歴等に記載すること。
【かかりつけ薬剤師訪問加算】
問22 患者又はその家族等の求めに応じて、患家を訪問して、服用薬の管理方法の指導及び残薬の整理等を行い、その結果を保険医療機関に情報提供した場合に、かかりつけ薬剤師訪問加算の算定はどの時点で行えばよいか。
(答)患家への訪問後に、当該患者から再度処方箋を受け付けたときに算定すること。
問23 調剤を実施し、後日、かかりつけ薬剤師訪問加算に係る業務を行い、一保険薬局で再度処方箋を受け付けた際、当該患者のかかりつけ薬剤師が不在であった場合も、かかりつけ薬剤師訪問加算は算定可能か。
(答)算定可能。ただし、服薬管理指導料1のロ又は2のロと併せて算定する際には、患家を訪問した旨、患家における残薬状況、実施した指導等の内容等に加え、かかりつけ薬剤師の氏名を薬剤服用歴等に記載すること。
問24 令和8年度診療報酬改定の内容を適用する前の、後発医薬品使用体制加算等の施設基準においては、前月までの実績を用いて届け出ることとされているが、令和8年5月1日に、5月に適用する後発医薬品使用体制加算等の届出をする場合、4月実績のカットオフ値はどのように算出すれば
よいか。
(答)令和8年5月1日に、5月に適用する後発医薬品使用体制加算等の届出をする場合に限り、カットオフ値の算出については令和8年3月までの実績を用いることとし、4月実績は用いないこと。
2026年度の診療報酬:疑義解釈(その1)が開示:地域支援・医薬品供給対応体制加算に関して
2026年3月23日、令和8年度診療報酬改定に関する疑義解釈(その1)が公開されました。
調剤に関しては地域支援・医薬品供給対応体制加算に関する解釈が記載されていましたので、PDFファイルを添付します。
調剤報酬点数表関係
【地域支援・医薬品供給対応体制加算】
問1
地域支援・医薬品供給対応体制加算の施設基準のうち、「調剤時残薬調整加算及び薬学的有害事象等防止加算の算定回数の合計が20 回以上であること」及び「服薬管理指導料1のイ及び2のイの算定回数の合計が20回以上であること」について、それぞれ令和8年度調剤報酬改定前の「調剤管理料の重複投薬・相互作用等防止加算及び在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の算定回数の合計が20 回以上であること」及び「かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の算定回数の合計が20 回以上であること」とみなして判断してよいか。
(答)よい。令和9年6月1日までに行う届出にあたっては、「調剤管理料の重
複投薬・相互作用等防止加算及び在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の算定回数の合計」及び「かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の算定回数の合計」とみなす。
【電子的調剤情報連携体制整備加算】
問2
令和8年5月31 日時点で既に医療DX推進体制整備加算の施設基準を届け出ている保険薬局は、令和8年度診療報酬改定に係る見直しに伴い、同年6月1日からの電子的調剤情報連携体制整備加の算定にあたり、電子的調剤情報連携体制整備加算に係る施設基準の届出を改めて行う必要があるか。
(答)不要である
2026年度の診療報酬(短冊)が公開!「後発医薬品調剤体制加算の廃止」と「調剤管理料が2区分へ」がポイント
2026年1月23日の中医協総会にて、2026年度調剤報酬改定の具体的な骨子(短冊)が公開されました。今回の改定は、「対物から対人へ」の更なる加速と、「医療DXへの完全移行」、そして「門前・医療モールへの厳しい適正化」が色濃く反映されています。
特筆すべき注目ポイントをまとめました。
1. 調剤基本料の見直し:立地依存からの脱却と「面分業」の推進
今回の改定の大きな柱の一つが、薬局の立地に依存する構造を是正し、薬剤師の専門性をより発揮できる「面分業(特定の医療機関に頼らない処方箋受付)」を評価することです。
調剤基本料1・3のハの引き上げ
特定の病院の前にある「門前薬局」よりも、地域に根ざして幅広い医療機関から処方箋を受け付ける薬局を評価するため、調剤基本料1(42点→引き上げ)および調剤基本料3のハ(32点→引き上げ)の点数が見直されました。これにより、特定の病院に依存しない経営努力がより報われる形となります。
特定の医療機関への集中率に関する制限の強化
いわゆる「門前薬局」への評価は厳しくなっています。
-
集中率による区分追加: 特定の医療機関からの処方箋集中率が85%超〜95%以下の薬局で、受付回数が月1,800回超〜2,000回以下のものは、より点数の低い「調剤基本料2」を算定することとなりました。
-
都市部の新規開局制限: 都市部に新規開設する薬局で、集中率が85%を超え、月600回を超える受付がある場合も「調剤基本料2」が適用されます。
一 北海道札幌市
二 宮城県仙台市
三 埼玉県さいたま市
四 千葉県千葉市
五 東京都千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区及び江戸川区
六 神奈川県横浜市、川崎市及び相模原市
七 新潟県新潟市
八 静岡県静岡市及び浜松市
九 愛知県名古屋市
十 京都府京都市
十一 大阪府大阪市及び堺市
十二 兵庫県神戸市
十三 岡山県岡山市
十四 広島県広島市
十五 福岡県北九州市及び福岡市
十六 熊本県熊本市
- 特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合が85%を超え、95%以下である保険薬局であって、同一グループの保険薬局における処方箋の受付回数の合計が1月に3万5千回を超え、4万回以下のものは調剤基本料3のイを算定することとする。
- 新規開設する保険薬局について、既に多数の保険薬局が開局している地域(特に、病院の近隣)又は医療モール内に立地する場合は減算とする。
- へき地等において、地方自治体の所有する土地に所在する診療所の敷地内に所在する保険薬局であり、周囲に他の保険薬局がない場合は、特別調剤基本料Aを算定せず、調剤基本料1を算定する旨の規定を設ける。
- 特定の保険医療機関に係る処方箋による調剤の割合の計算に当たっては、同一建物内又は同一敷地内に複数の保険医療機関が所在している場合、当該複数の保険医療機関を1つの保険医療機関と見なすこととする(医療モールに所在する複数の保険医療機関を1つの保険医療機関とみなす。)。
-
集中率へのメス: 特定医療機関の処方箋割合が85%を超える場合の減算対象(基本料2)が拡大。
-
医療モールへの影響:「医療モール内の複数クリニックを1つの医療機関とみなす」というルールが導入されます。これにより、モール内薬局の多くが集中率超過による減算(基本料2への移行)を余儀なくされる可能性があります。
-
チェーン薬局の評価: 同一グループの処方箋回数に応じた区分(基本料3)の基準が細分化・変更されます。
2. 地域支援体制加算から「地域支援・医薬品供給対応体制加算」へ
従来の「地域支援体制加算」は、その名称が**「地域支援・医薬品供給対応体制加算」**へと変更されました。これは、単なる地域活動だけでなく、昨今の医薬品供給不足に対応できる体制を評価する意図があります。
安定供給への対応が必須に
改定後、この加算を算定するためには、以下の要件が新たに加わりました。
-
医薬品の安定供給体制: 自薬局で在庫が切れていても、近隣薬局と連携して在庫を融通し合う体制、または処方医と連携して代替薬を提案できる体制が求められます。
-
後発医薬品(ジェネリック)の使用割合: 一定以上の後発品使用割合(例:80%や90%以上など、区分による)を維持しつつ、供給不足時には適切に情報を公開していることが評価の対象となります。
○ 令和8年6月以降に開設する保険薬局又は改築若しくは増築する保険薬局においては、面積が16平方メートル以上の調剤室を有すること。
○ セルフメディケーション関連機器を設置していること。
○ 薬事未承認の研究用試薬・検査サービスを販売又は提供していないこと。
(実績について)
○ 調剤時の薬剤一元管理による疑義照会や残薬調整に係る評価項目を一定程度算定していること。
○ かかりつけ薬剤師による服薬指導を一定程度実施していること(服薬管理指導料1のイを算定していること。)。
○ 服用薬剤調整支援料2の見直しに伴い、実績要件の項目から服用薬剤調整支援料を削除すること。
加算区分の5段階化
従来の4段階から5段階(加算1〜5)へと細分化されました。それぞれの薬局の機能(夜間休日対応の実績、麻薬の取り扱い、在宅実績など)に応じて、よりきめ細かく評価される仕組みになっています。
3. 調剤管理料の簡素化:日数の「4区分」から「2区分」へ
対人業務の質を適切に評価するため、内服薬の調剤日数に基づく「調剤管理料」が大幅に簡素化されました。
令和6年度(旧)
-
7日以下(4点)
-
8日〜14日(28点)
-
15日〜28日(50点)
-
29日以上(60点)
令和8年度(新)
-
27日以下(短期・中期処方)
-
28日以上(長期処方)
このように、従来の細かな区分が撤廃され、「28日(4週間)」を境目とした2区分に統合されました。これは、長期処方の管理負担を評価しつつ、事務的な複雑さを解消する狙いがあります。また、これまであった「調剤管理加算」は廃止され、新たな加算体系へと統合・整理されています。
4. 重複投薬・残薬対策の評価新設:患者の安全と経済性の向上
「重複投薬・相互作用等防止加算」が見直され、より実効性の高い「残薬対策」を評価する新項目が設置されました。
「調剤時残薬調整加算」の新設
患者が自宅に持ち帰って余らせている「残薬」を確認し、医師に報告して処方量を調整した場合の評価が新設されました。
-
算定要件: 7日分以上の処方日数変更を行った場合に算定可能です。
ただし、薬剤師が患者の服薬状況等により必要性があると判断し、6日分以下相当の処方日数の変更を行う場合には、その理由を調剤報酬明細書に記載することで算定可能とする。
-
目的: 医療費の無駄を省き、多剤服用(ポリファーマシー)による副作用のリスクを軽減することを目指しています。
「薬学的有害事象等防止加算」の新設
薬剤服用歴に基づき、副作用の恐れがある場合などに医師へ照会し、実際に処方が変更された場合に評価されます。より高度な薬学的知見に基づく介入が求められます。
5. 吸入薬管理指導加算の拡充:インフルエンザ患者も対象に
喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)に限定されていた「吸入薬管理指導加算」が、今回からインフルエンザウイルス感染症の患者にも拡大されました。
-
変更点: インフルエンザなどの急性疾患で吸入薬が処方された際、その場で適切な手技を指導し、医療機関に情報提供した場合に算定できます。
-
算定間隔: 慢性疾患の場合は従来の「3ヶ月に1回」から「6ヶ月に1回」へと見直されましたが、インフルエンザ等の場合はその都度の算定が可能です。
6. バイオ後続品(バイオシミラー)の使用促進
医療費抑制の観点から、バイオ医薬品の後続品である「バイオシミラー」の使用を促進する評価が新設・見直されました。
-
バイオ後続品使用体制加算の見直し: 病院において、入院初日だけでなく、使用実績に応じた評価ができるよう算定ルールが変更されました。
-
薬局での評価(バイオ後続品調剤体制加算): 薬局がバイオシミラーを積極的に備蓄し、患者に説明して調剤を行う体制を整えている場合に算定できる加算が新設されました。
7. 長期収載品の「選定療養」導入:患者負担が変わる大きな転換点
今回の改定で最も一般患者に影響があるのが、「長期収載品(先発医薬品)」の選定療養化です。
-
概要: 患者の希望により長期収載品を使用する場合、長期収載品と後発医薬品の価格差の4分の1相当を患者負担としているが、これを価格差の2分の1相当に引き上げる。
8.「医療DX推進体制整備加算」から「電子的調剤情報連携体制整備加算」へ
「医療DX推進体制整備加算」から「電子的調剤情報連携体制整備加算」に改称され、評価区分が1つに整理されます。主な変更点は、従来の体制要件に加えて、電子処方箋システムによる重複投薬等チェックを行う体制の整備が必須要件となる点です。
主な改定・変更ポイントは以下の通りです。
名称変更: 医療DX推進体制整備加算 → 電子的調剤情報連携体制整備加算
体制の明確化: 電子処方箋システムを利用した重複投薬等チェックの実施が要件に追加
評価区分: 1つに統合
情報連携: 電子カルテ情報共有サービス活用に関する経過措置が延長
目的: 薬剤情報などを電子的に連携し、より安全な服薬指導・調剤体制の構築を目指す
この改定により、薬局は従来のシステム導入だけでなく、実際の電子処方箋データを活用した高度なチェック体制が求められることになります。
9. 「かかりつけ薬剤師指導料」の廃止と再編
今回の改定案で最も驚きを持って受け止められたのが、かかりつけ薬剤師指導料および包括管理料の廃止です。複雑だった「かかりつけ薬剤師指導料」などが廃止され、「服薬管理指導料」の中での評価に一本化されます。
-
廃止と統合: 独立した「かかりつけ薬剤師指導料」はなくなり、「服薬管理指導料」の中に「かかりつけ薬剤師が指導した場合」の評価として組み込まれます。
-
新評価の創設: かかりつけ薬剤師による継続的な指導や、自宅訪問による残薬対策などが新たに評価されます。
-
狙い: 「かかりつけ」を特別な加算ではなく、薬剤師の標準的な業務の「質の差」として評価する方向にシフトしたと言えます。
-
算定しやすさと質の担保を両立
-
薬剤師の在籍期間要件が「1年以上」から「6か月以上」に短縮され、柔軟な働き方に対応。
-
一方で、管理薬剤師には「3年以上の在籍」を求め、薬局としての責任体制を強化。
-
プライバシーに配慮したパーテーション付きカウンターの設置なども義務化されます。
-
10. 在宅医療
これからの薬局の生き残り戦略として欠かせない「在宅」と「DX」にも新たな評価がつきます。
-
在宅(医師との同時訪問): 医師と薬剤師が同時に患者宅を訪問して指導を行った場合の評価(訪問薬剤管理医師同時指導料)が新設されます。
-
在宅の制限緩和: 在宅訪問の「6日以上あける」という間隔制限が廃止され、週1回の訪問が可能になります。
まとめ:2026年度改定が示す「薬局の新たな生存戦略」
2026年度の調剤報酬改定は、これまでの「対物から対人へ」という流れをさらに一段階進め、「薬局のあり方そのものの再定義」を迫る非常に厳しい、かつ明確なメッセージが込められた内容となりました。
今回の改定の重要ポイントを振り返ると、以下の3つの大きな軸が見えてきます。
-
「立地」から「機能」への完全移行
門前薬局や医療モール内薬局に対する集中率の制限がかつてないほど強化されました。一方で、特定の医療機関に依存しない「面分業」や、地域全体への医薬品供給責任(安定供給への貢献)を果たす薬局が正当に評価される仕組みへと大きく舵が切られました。 -
薬剤師の専門性の「標準化」と「深化」
「かかりつけ薬剤師指導料」の廃止と統合は、かかりつけ機能が「特別な加算」ではなく、薬剤師が果たすべき「当然の質」として組み込まれたことを意味します。また、残薬調整や副作用未然防止といった、より高度な薬学的介入が「点数」として新設されたことで、薬剤師の働きが医療費適正化に直結することが示されました。 -
医療DXと経済性への対応
電子処方箋の活用やオンライン連携は、もはや「努力目標」ではなく「必須のインフラ」となりました。また、長期収載品の選定療養化(患者負担増)やバイオシミラーの推進は、薬局が「国の医療財政を守るゲートキーパー」としての役割を強く期待されている証でもあります。
今後の薬局に求められること
これからの薬局経営において、「ただ処方箋を待つ」スタイルは通用しなくなります。
-
地域連携: 在宅医療への積極的な参画や、近隣薬局との医薬品融通体制の構築。
-
臨床能力: 患者の服薬状況から処方提案を行い、医師のパートナーとして機能すること。
-
DX対応: 電子処方箋やマイナ保険証を基盤とした、情報のデジタル連携の完遂。
今回の「短冊」公開により、2026年4月以降の薬局の姿が具体的に見えてきました。制度の変更を単なる「減算の危機」と捉えるのではなく、自局の機能をアップデートし、地域住民から真に選ばれる「かかりつけ拠点」へと進化するための大きな転換点と捉えるべきでしょう。
※本記事は2026年1月23日時点の中医協資料に基づいています。最終的な点数や要件は、3月の告示を待つ必要があります。


