おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

下剤 糖尿病 高尿酸血症治療薬(痛風治療薬)

7月27日リンゼス錠に慢性便秘症の効能追加/フェブリクに小児用量/トラディアンス承認可否が検討

投稿日:2018年7月14日 更新日:

7月27日リンゼス錠に慢性便秘症の効能追加/フェブリクに小児用量/トラディアンス承認可否が検討

 

厚生労働省は2018年7月27日の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会において以下の品目の審議を予定しております。

2018年7月27日審議事項(リンゼス・トラディアンス・フェブリクなど)

・DPP4阻害剤「トラゼンタ」とSGLT2阻害剤「ジャディアンス」の合剤「トラディアス配合錠AP/BP」についての承認可否

 

・ファブラザイム(ファブリー病治療剤)のバイオ後発品

 

・便秘型過敏性腸症候群治療薬「リンゼス」に慢性便秘症の効果追加

 

・高尿酸血症治療薬「フェブリク」の小児用量追加

私としてはリンゼス錠の慢性便秘症が認可されると便秘症治療の幅が広がるので非常にいいなぁと感じます。リンゼス錠の排便頻度・残便感の改善に関する報告を見てみると、リンゼス錠0.5mgを飲むと24時間以内に“残便感のない自然排便”がでる割合は24.9%、一方でリンゼスを飲まない場合は10%の方しか便がでていないというデータが示されています。さらに24時間以内に“自然排便 “が出る割合をみると、リンゼスを飲んだ場合は72.3%、飲まない場合は45.8%という報告がありますので、リンゼス0.5mgを飲むと有意に便秘が解消されていることがわかります。

 

今現在(2018年7月)はリンゼス錠の適応症は「便秘型過敏性腸症候群」しかありませんが、便秘型過敏性腸症候群の患者様へリンゼス錠をお渡しした後に、効き目を聞いてみると、私の感覚では「良く効くね」という回答を得ることが多い印象です。さらに言いますと、「0.5mgでは多いから0.25mgを飲んでいる」、「便秘がひどいときだけリンゼスを飲んでいる」という回答をする方もおりました。

linzess

linzess

このように便秘症に対して非常に効果があるリンゼス錠ですが、米国では過敏性腸症候群と慢性便秘症の適応で使用されております。リンゼス錠は腸管内の流量を増やすことで排便を促すという作用ですので、米国の説明書には「深刻な脱水の危険性があるということで6歳未満の子供には使用しない」よう記載されています。また6~18歳の方にも使用を控えるよう記されています。

慢性便秘症に対するグーフィス錠のはたらきについて

リンゼス錠が慢性便秘症の適応症を取得して、多くの方に処方されるようになった場合は下痢による脱水症について十分な注意を促す感じになると思います。

注意:リンゼス錠による下痢の副作用頻度は13%

注意:動物実験では下痢による重度の脱水で死亡例が報告されています。

フェブリクとトピロリック錠の違いについて

-下剤, 糖尿病, 高尿酸血症治療薬(痛風治療薬)

執筆者:ojiyaku


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

関連記事

tablet2

フェブリク錠の服用が虚血性腎障害に対して腎保護作用を有する報告

フェブリク錠の服用が虚血性腎障害に対して腎保護作用を有する報告   以下はマウスを用いた実験です. 慶應義塾大学による報告によると、マウスの腎動脈をクリッピングして腎血流を一時的(10分間) …

Zyloric-Peripheral-arterial-disease

ザイロリック(アロプリノール)による末梢動脈疾患リスクの減少について

ザイロリック(アロプリノール)による末梢動脈疾患リスクの減少について   ザイロリック(アロプリノール)の服用が高齢者の末梢動脈疾患リスクを低下することについて米国の研究チームが報告を行いま …

symproic

オピオイド誘発性便秘症治療薬スインプロイク錠0.2mg(ナルデメジントシル酸塩)について

オピオイド誘発性便秘症治療薬スインプロイク錠0.2mg(ナルデメジントシル酸塩)について 2017年2月9日に厚生労働省の「薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会」においてオピオイド誘発性便秘症治療薬“ …

tablet2

ツイミーグ錠(イメグリミン)とメトホルミンの類似点・相違点について

ツイミーグ錠(イメグリミン)とメトホルミンの類似点・相違点について   2021年5月末に新規作用機序の血糖降下剤「ツイミーグ錠」が販売されました。 ツイミーグ錠は濃度依存的にインスリン分泌 …

colon

整腸剤に含まれる善玉菌は、服用を中止した後も腸の中に定着する?

整腸剤に含まれる善玉菌は、服用を中止した後も腸の中に定着するのか   ビオフェルンやビオスリー、ミヤBMといった整腸剤を飲んでいる間は腸内に生息している善玉菌が優勢に生息して、悪玉菌の増殖を …