おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

FDA承認 抗生剤

FDAが心疾患患者へのクラリスロマイシン使用に注意喚起

投稿日:2018年3月14日 更新日:

FDAが心疾患患者へのクラリスロマイシン使用に注意喚起

 

米国食品医薬品局(FDA)は「抗生物質クラリスロマイシンを心疾患患者へ処方する際は、心疾患リスクの増悪または死亡に関してのリスクが増加すること処方前に考慮すること」という注意喚起を公開しました。

心疾患患者へのクラリスロマイシン投与に関する注意喚起の裏付けとして、FDAはデンマークで行われたCLARICOR試験を挙げています。冠動脈疾患患者を対象としたこの試験では2週間のクラリスロマイシン治療をうけた群が、プラセボ群に比して1年以降の死亡リスクが上昇するという結果となっています。

心疾患患者へのクラリスロマイシン投与に関する注意喚起

クラリスロマイシン投与による死亡率の増加に関して原因はわかっておりません。

 

FDAは医師に対して

「心疾患患者へのクラリスロマイシン投与に関してはリスクとベネフィットを考慮すること。心疾患患者にクラリスロマイシンを投与する際は、心血管で生じる可能性がある問題についての徴候や症状を事前に説明すること」

を記しています。

 

患者に対しては

「抗菌薬が処方された際は、医師に心疾患があることを伝えること。抗菌薬使用中に胸の痛み・息切れ・脱力感などの症状を感じた際は病院を受診すること」

を記しています。

尚、心臓病を患っていない患者でのクラリスロマイシンの治療に関しては、長期間の安全性に関する試験結果はないため、CLARICOR試験の結果を心臓疾患のない患者に適用できるかどうかについては判断できないとしています。

心疾患患者へのクラリスロマイシン投与に関する注意喚起

-FDA承認, 抗生剤
-クラリシッド, クラリス, クラリスロマイシン, 冠動脈疾患患者, 原因不明, 心疾患患者, 死亡率

執筆者:ojiyaku


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

tab3

デパケンなど原則禁忌から禁忌へ移行する5項目について

デパケンなど原則禁忌から禁忌へ移行する5項目について 添付文書の記載要領改正によって「原則禁忌」という項目がなくなりますが、それに伴いこれまで「原則禁忌」としていた薬剤について、5項目については「禁忌 …

Lynparza

リムパーザ錠が発売開始/海外では転移性乳がんでの治療を目的とした臨床試験データ開示

リムパーザ錠が発売開始/海外では転移性乳がんでの治療を目的とした臨床試験データ開示   2018年4月18日、リムパーザ錠100mg/150mgの発売が開始されました。 適応症:白金系抗悪性 …

medical_kyuunyuuki_boy

アドエアのジェネリック医薬品Wixela InhubをFDAが承認

アドエアのジェネリック医薬品が発売されない理由/Wixela Inhub承認の経緯 米国FDAはアドエアのジェネリック医薬品Wixela Inhubを承認 2019年2月5日追記 米国FDAはアドエア …

LANTUS-TRESIBA

ランタスと比較してトレシーバの心血管リスク軽減(非劣勢)を添付文書に記載(FDA)

ランタスと比較してトレシーバの心血管リスク軽減(非劣勢)を添付文書に記載(FDA)   FDAは基礎インスリン製剤トレシーバの添付文書に、ランタスと比較してトレシーバの主要心血管リスク軽減デ …

FMT

CDI感染症に対する糞便移植の効果について

CDI感染症に対する糞便移植の効果について クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI感染症)は入院中に抗菌薬などを使用することにより消化管内の細菌叢が攪乱され、発症する感染症と言われています。症状 …

  google adsense




2023年12月発売予定のGEリスト(エクセルファイル)

2023年12月発売予定のGEリスト(エクセルファイル)

2023年4月薬価改定 新旧薬価差比較データ(エクセルファイル)

2022年4月薬価改定。新旧薬価差比較データ(エクセルファイル)

おじさん薬剤師の働き方

how-to-work

薬剤師の育成について

how-to-bring-upo

日医工・沢井・東和・日本ジェネリック・日本ケミファ・アメルの出荷調整リスト

日医工・沢井・東和・日本ジェネリック・日本ケミファ・アメルの出荷調整リスト




how-to-work