おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

薬歴の記載内容

Do処方、体調変化なしの薬歴に季節変化を取り入れてみる

投稿日:2017年11月11日 更新日:

Do処方、体調変化なしの薬歴に季節変化を取り入れてみる

慢性疾患患者様の処方内容は、Do処方が多い印象です。厚生局から指導によると薬局薬剤師は「起こりうる副作用を未然に防ぐための確認を行うこと」が役割の一つとなっております。患者様との会話や薬歴に記載する内容に季節変化を盛り込みつつ副作用についての注意喚起を行うと、少しは厚みがでるのかなぁと思いましたので、今回は季節変化を取り入れた薬歴について記してみます。


~冬→春、春→夏(気温上昇・湿度上昇)~ 
●痛風の薬(5~9月は痛風発作の初診患者が多い)
・気温上昇に伴い発汗量が増え、脱水症状が起こりえます。こまめに水分を補給するよう心がけましょう。

・気温上昇に伴う発汗量の増加に加え、ビールなどのアルコール摂取量が増える季節です。脱水症状に起因する痛風発作を防止するためにも水分摂取を心がけましょう。

●糖尿病治療SGLT2阻害剤
・気温上昇に伴い発汗量が増え、脱水症状が起こりえます。こまめに水分を補給するよう心がけましょう。

Do処方でお薬をお渡しした時の薬歴の書き方

●血液サラサラの薬・不整脈の薬
・気温上昇に伴う発汗量の増加により、血液粘稠度が増す可能性があります。こまめに水分補給するよう心がけましょう。

●下剤
・気温上昇に伴う発汗量の増加や、夏バテによる食欲減退が原因で便秘の頻度が増えるケースがあります。水分補給をこまめに行いましょう。

夏と尿酸値の関係(サッポロビール調査)

●甲状腺機能亢進症
・気温上昇に伴う過度の発汗や脱水に注意。手の震え動悸などの体調変化に注意すること。

●水虫の薬
湿度が上昇しますので、水虫(白癬菌)の理想的な生育環境に近づきます。患部をよく乾燥させること。自己判断で治療を中断しないこと。


~ 夏→秋、秋→冬(気温低下・湿度低下)~ 
●喘息の薬・吸入薬
1. 空気が乾燥し気温が低くなるこの季節は、気管を刺激し喘息発作の頻度が増える可能性があります。再発予防のために自己調節せずつづけること。

●高血圧の薬
・気温の低下に伴い、血圧変動が生じる可能性があります。体を冷やさないこと、降圧剤を自己調節しないこと、減塩に心がけるようにしましょう。

セララの降圧作用を患者様へお伝えする

・気温の低下に伴い、外気温と内気温の温度差が大きくなる季節です。外出時や入浴後の急激な温度変化に伴うフラツキに注意すること。防寒を心がけましょう。

Do処方で高血圧治療が続く患者様に対する薬歴の書き方

●狭心症の薬
・気温の低下に伴い、外気温と内気温の温度差が大きくなる季節です。寒暖差による発作を予防するために外出時は防寒を心がけましょう。ニトロ剤の頓服薬を常備すること。


●貼り薬
・湿度の低下に伴い、皮膚が乾燥する季節です。貼付部位のかぶれ・かゆみ・発疹などの副作用に注意しましょう。はがした後は保湿剤などで皮膚を保湿しましょう。

冬季 住宅環境下における血圧変動について実測値

●痛み止め
気温低下に伴い体が冷えると、血行不良に伴う筋肉のこわばり生じる可能性があります。筋肉の硬直をさけるため暖かい下着を身に着けるなどの防寒対策を心がけましょう。

Do処方でお薬をお渡しした時の薬歴の書き方

 

-薬歴の記載内容
-四季を薬歴に取り入れる, 薬歴, 記載内容

執筆者:ojiyaku


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

yakureki-next-plan

薬歴に次回の服薬指導計画を記載する

薬歴に次回の服薬指導計画を記載する 平成30年度調剤報酬改定の内容が公開されました。薬歴にかんしては「継続的な薬学的管理・指導等を推進するため、薬剤服用歴の記録に次回の服薬指導の計画を追加する」という …

typing

抗血小板薬がDo処方で続く患者様への薬歴

抗血小板薬がDo処方で続く患者様への薬歴   プラビックスやバイアスピリン、プレタールなどの抗血小板薬を継続服用している方へお薬をお渡しする際に「青あざ(皮下出血)・歯茎からの出血」などの出 …

ippouka

服用薬剤調整支援料は頓服薬では算定できない/かかりつけ薬剤師指導料の説明用紙に費用の説明も

服用薬剤調整支援料は頓服薬では算定できない/かかりつけ薬剤師指導料の説明用紙に費用の説明も   平成30年度診療報酬改定関係資料として「調剤報酬点数表に関する事項」が公開されました。 「調剤 …

stomac-medicines-yakureki

胃薬を患者様へお渡しする際の投薬内容・薬歴について

胃薬を患者様へお渡しする際の投薬内容・薬歴について   胃薬(PPI、H2ブロッカー、胃粘膜保護剤)を継続して飲んでいる患者様へお渡しした際にお伺いすることは「胃の調子」「胸やけ・胃痛症状の …

zaitaku

調剤薬局の在宅業務・訪問薬剤管理指導の報告書がマンネリ

調剤薬局の在宅業務・訪問薬剤管理指導の報告書がマンネリ 私は調剤薬局に勤務しており、定期的に「在宅業務」を行っています。患者様宅へお邪魔してお薬の管理や体調変化・近況に関してお話しすることは前向きに勤 …

  google adsense




2023年12月発売予定のGEリスト(エクセルファイル)

2023年12月発売予定のGEリスト(エクセルファイル)

2023年4月薬価改定 新旧薬価差比較データ(エクセルファイル)

2022年4月薬価改定。新旧薬価差比較データ(エクセルファイル)

おじさん薬剤師の働き方

how-to-work

薬剤師の育成について

how-to-bring-upo

日医工・沢井・東和・日本ジェネリック・日本ケミファ・アメルの出荷調整リスト

日医工・沢井・東和・日本ジェネリック・日本ケミファ・アメルの出荷調整リスト




how-to-work