コレステロールを下げるお薬がDo処方で続く患者様への薬歴
クレストールやリピトール・リバロ・ゼチーア・パルモディア・リピディルなどのコレステロールを下げるお薬をDo処方で継続している患者様へお薬をお渡しする際は「左右対称の体の痛み・筋肉痛・脱力感・しびれ・暗褐色尿」といった横紋筋融解症の前兆となる症状(副作用)が出ていないかどうかを確認することが多いのですが、毎回毎回そればっかり・・・というわけにもいかないので、自分として投薬・薬歴に使用できそうな文言を調べてみました。
抗コレステロール薬の主な副作用
クレストール
併用禁忌:シクロスポリン
CK上昇(血中クレアチンホスホキナーゼ増加)201件
肝機能異常:135件
筋肉痛・関節痛:132件
かゆみ・発疹:86件
腹痛・便秘・下痢:約80件
頭痛・めまい・感覚鈍麻・味覚異常:53件
筋肉痛関連の副作用以外にも、肝機能・皮膚トラブル・消化器系障害・頭痛などの副作用が高い頻度で生じていることがわかりました。
リピトール
併用禁忌:一部のC型肝炎治療薬
CK上昇(血中クレアチンホスホキナーゼ増加)159件
肝機能異常:300件
血中ブドウ糖増加:53件
グリコヘモグロビン増加:30件
筋肉痛・関節痛:48件
かゆみ・発疹:44件
腹痛・便秘・下痢:約70件
頭痛・めまい・感覚鈍麻・味覚異常:9件
リピトールは血糖上昇・HbA1c上昇の副作用リスクが他のコレステロール薬よりも高い印象です。
クレストールと比較してリピトールは肝機能関連の副作用の比率が高い一方、横紋筋融解症の前兆となる筋肉痛やCPK上昇の率はクレストールと比較すると低い印象を受けます。
リバロ
併用禁忌:シクロスポリン
CK上昇(血中クレアチンホスホキナーゼ増加)241件
肝機能異常:119件
筋肉痛・関節痛:207件
かゆみ・発疹:90件
腹痛・便秘・下痢:約159件
頭痛・めまい・感覚鈍麻・味覚異常:75件
リバロは肝機能異常が比較的少ないように思われます。
リピディル
肝機能検査異常:234
胃腸障害:73件
かゆみ・発疹:54件
血中CPK上昇:49件
肝臓・胆道系障害:42件
骨格筋・結合組織障害:8件
リピディルはHGMCoA還元酵素阻害剤と比較して筋肉痛やCPK上昇の副作用が低い代わりに肝機能・胆道系の副作用が増加しています。
パルモディア
肝臓・胆道系障害:32件
胃腸障害:23件
糖尿病:20件
皮膚疾患:12件
CPK上昇:12件
パルモディアは市販後調査が行われていないので、臨床試験段階での副作用報告となります。リピディル同様に肝臓・胆道系の副作用発現率が高いのに加えて、糖尿病関連の副作用報告が多い印象です。
ゼチーア
便秘・下痢・腹痛:36件
肝機能上昇:33件
CPK上昇:11件
関節痛・筋肉痛関連:6件
発疹・かゆみ:14件
ゼチーアは小腸におけるコレステロールトランスポーター阻害剤ですので、消化管系の副作用が多い印象です。食欲不振・消化不良・逆食・放屁・口内炎といった副作用が報告されています。
抗コレステロール薬の投薬時の副作用確認・薬歴内容
・四肢の脱力感・手足・肩・腰・全身の筋肉の痛み・こわばり・倦怠感・赤褐色尿といった横紋筋融解症の前兆となる症状がでていないことを確認した。
・食欲低下・吐き気・倦怠感・尿の色が濃くなる・むくみ・おなかが張るといった肝機能低下の前兆となる自覚症状はでていないことを確認した。
・胃部不快感・口の渇き・腹部膨満感・食欲不振・嘔吐・便秘といった消化器関連の副作用はでていないことを確認した。
・頭痛・頭重感・しびれ・めまい・眠気・こわばりといった神経系に関する副作用は生じていないことを確認した。
・服用による湿疹・かゆみ・皮膚乾燥などの皮膚トラブルは生じていないことを確認した。継続服用しましょう。
・食後の肋骨当たりの痛み・背中・肩・みぞおち・腰などの痛みは出ていないことを確認した。また食欲は正常であり、吐き気・倦怠感といった症状もでていないことを確認した(胆石症の前兆なし)
・便秘・下痢といった排便状況の変化なし。腹部膨満感・鼓腸放屁・消化不良などの消化器系の副作用はでていないことを確認した。
・睡眠障害・ものわすれ・悪夢・抑うつなどの精神神経関連の自覚症状はでていないことを確認した
電子薬歴を使用している場合は、上記の内容を単語登録して使用することもできるかと思います。