ファイザー社ワクチンを生後6カ月~5歳未満へ投与か?(2022/2/4)
ファイザー社のプレリリースによると、新型コロナワクチンの接種年齢について5歳未満の小児・乳幼児に対しても使用を拡大することができるようアメリカ食品医薬品局(FDA)へ申請手続き開始したことが発表されました。
生後6カ月~5歳未満の小児・乳幼児に対しては一般成人の1/10量である3μgを2回接種することを提案しています。
米国ではオミクロン株の感染拡大により小児が新形コロナウイルスに感染・入院例が急増していることを受けてファイザー社は小児・乳幼児へのワクチン接種について緊急承認許可を求めるよう要請したかたちです。
5歳未満の新形コロナウイルスワクチン接種に関しては、ワクチン先進国ではるイスラエルでも実施されておりません(計画段階です)
ファイザー社は小児に対する新型コロナワクチン接種の臨床試験として
5歳以上12歳未満(3週間の間隔をあけて10μgを2回)
5歳未満2歳以上(3週間の間隔をあけて3μgを2回)
2歳未満6カ月以上(3週間の間隔をあけて3μgを2回)
という3パターンのトライアル試験をすでに実施しており、今回は5歳未満6カ月以上の小児・乳幼児における有効性・忍容性についてのデータをFDAに提出したとしています。
5~11歳用のコロナワクチン「コミナティ筋注 5~11歳用」が2022年1月21日特例承認
厚生労働省は2022年1月20日に開催された薬事・食品衛生審議会(薬食審)医薬品第二部会にて5~11歳用の新型コロナワクチンについて特例承認を了承しました。
これにより2022年1月21日に厚生労働省が承認することとなります。
5~11歳が使用する新型コロナワクチンは12歳以上が接種する量(1回30μg)の1/3量となっております(1回10㎍)。
取り間違えを防ぐ目的で、5~11歳用のワクチン名は「コミナティ筋注5~11歳用」として配布されることとなります。
使用回数は2回で1度接種後、3週間の間隔をあけて2度目を摂取します。
2022年1月26日に開催される分科会において、実施要領について議論される見通しです。実際の摂取が開始される時期については2022年3月以降となる見通しです。
5~11歳用のコロナワクチン接種後の副作用報告について(2022/1/18)
日本国内では5~11歳の小児に対してコロナワクチンを接種するかについての承認可否が1月20日話し合われる予定ですが、米国では既に5~11歳の小児に対して枠クチン接種が行われています。小児ワクチン接種後の副反応報告について以下に記します。
米国における5~11歳の小児のワクチン接種後の副反応について
米国では5~11歳の小児に対してコロナワクチン接種が緊急承認されており、11月3日~12月19日までの期間で870万回のワクチンが接種されております。
ワクチン接種後の副反応に関して、「予防接種後副反応報告システム」によるデータ解析によると、870万回のワクチン接種後に4249件の副反応が報告されています。(年齢中央値8歳、男児44.6%、女児45%、不明10.4%)
4249件のうち97.6%は深刻な副反応ではなく、注射部位の痛みや一過性の倦怠感、頭痛などでした。
非常にまれではありますが深刻な有害事象として100件が報告されました。(年齢中央値9歳、男児61%、女児39%)
発熱:29件
嘔吐:21件
心筋炎が示唆されるトロポニン値上昇:15件
発疹
痙攣
などです。
死亡例は2件が報告されました(5歳女児、6歳女児)
(ワクチン接種前の健康状態が脆弱であり、ワクチン接種と死亡に関する因果関係は不明)
また、新型コロナワクチン接種後の健康状態を把握するために開発された報告システムの情報では、2回目のワクチン接種後に局所反応を訴えた割合が57.5%(注射部位の痛み)、倦怠感や頭痛を訴えた割合が40.9%、医療を必要とした割合が1.1%、入院が必要がだった割合が0.02%と報告しています。
5~11歳用のコロナワクチン接種について厚生労働省が1月20日審議(2022/1/14)
新型コロナワクチン「コミナティ筋注」の5~11歳への使用に関して、厚生労働省・薬食審医薬品第二部会にて1月20日に特例承認の可否が審議されます。承認されれば12歳未満(5~11歳)への接種が可能となります。
注)新型コロナワクチン「コミナティ筋注」は12歳以上用として1回30μgを投与しますが、5~11歳用の適応としては小児剤形として1回10μgを投与することが予定されております。
厚生労働省にて新型コロナワクチン「コミナティ筋注」の5~11歳への承認可否が1/20審議される
南アフリカで発生した新型コロナウイルスの亜種「オミクロン株」についての情報(2021/11/28)
2021年11月9日に採取された検体からB.1.1.529という新型コロナウイルスの株が初めて確認され、ここ数週間の間でB.1.1.529亜種の感染拡大が急増しています。
世界保健機関WHOは2021年11月26日に新形コロナウイルスに関する専門グループを招集し、南アフリカ周辺諸国にて急激に感染拡大を広げているB.1.1.529株について「懸念すべき変異株」に指定し「オミクロン株」と命名しました。WHOから「懸念すべき変異株」として同定されたのはこれで5株目となります。
1 | α | アルファ |
2 | β | ベータ |
3 | γ | ガンマ |
4 | δ | デルタ |
5 | ε | エプシロン |
6 | ζ | ジータ |
7 | η | イータ |
8 | θ | シータ |
9 | ι | イオタ |
10 | κ | カッパ |
11 | λ | ラムダ |
12 | μ | ミュー |
13 | ν | ニュー |
14 | ξ | クシー |
15 | ο | オミクロン |
16 | π | パイ |
17 | ρ | ロー |
18 | σ | シグマ |
19 | τ | タウ |
20 | υ | ウプシロン |
21 | φ | ファイ |
22 | χ | カイ |
23 | ψ | プサイ |
24 | ω | オメガ |
直近までよく名前が出ていた「デルタ株」は4番目という意味でしたが、今回命名された「オミクロン」は15番目という意味ですので、そこそこ間隔があきましたね。
わかる範囲ではありますが、以下にオミクロン株についてわかる範囲の情報をまとめます。
オミクロン株は、南アフリカで採取されたサンプルから初めて同定され、その後ヨハネスグルグやプレトリアなどの人口の多い州でも感染者が報告されました。WHOは「南アフリカのほぼすべての州でオミクロン株の亜種の感染者数が増加している」と発表しました。
以下が南アフリカにおける新規感染者数のグラフです。2021年11月23日部分の薄い青の棒状の部分が直近の南アフリカの感染者数です。急激に増えていることがわかります。数日前まで感染者数は1日平均200人前後であり、日本の新規感染者数と同程度であったにもかかわらず、11月23日の新規感染者数が1万8586人となっており、急増していることがわかります。
香港では、空港のホテルで隔離されていたワクチン接種済みの乗客2名から、オミクロン株が検出されています。
オミクロン株の特徴は、ヒトへの感染に関与している「スパイクタンパク質」に32の変異があることがわかっており、非常に速いペースで感染が報告されていることから、既存の変異株と比較して「再感染のリスクが高まる」とWHOは指摘しています。
検査機関からの報告では、広く普及しているPCR検査では、既知の株では3つの標的遺伝子が検出されるのに対して、オミクロン株では2つしか検出されない(遺伝子の1つが既存の標的マーカーでは認識しない)ため、PCR検査によりオミクロン株とその亜種を識別するのは比較的容易であるとしています。
mRNAワクチンを開発しているバイオンテック社(ファイザー社と共同開発)は既存のワクチンがオミクロン株に対して有効かどうかは2週間後に判明するとしています。または必要であれば6週間以内にワクチンを手直しし、100日以内に第一弾の出荷を開始できると表明しています。
同じくmRNAワクチンを開発しているモデルナ社は、オミクロン株対応のワクチンは60日以内に発売可能であるが、量産体制を整えるには数カ月が必要であることを表明しています。
mRNAコロナワクチンは、今回のように懸念すべき変異株が発見されると、それに対応したワクチンを開発することが、既存のワクチンと比較して容易であることが特徴的です。さらに既存のワクチンのごく一部分だけを手直しするだけであるため、ワクチン発売にあたり再承認が必要ないということが、スピーディーな対応につながります。
イメージとしては、毎年発売されるインフルエンザワクチンが、その年に流行しそうなウイルスを予想して、少しずつバージョンアップして製造されているわけですが、「医薬品」としては毎年承認をうけているわけはありません。
同様に、mRNAコロナワクチンに関しても、ターゲットとなる新形コロナウイルスの株が変異した場合は、変異株にみあった抗体がつくられるように、ワクチンの一部を手直しし、スピーディーに医療現場へ提供することが可能であると思われます。
WHOは感染リスクを低減させるためにも、フィット感の高いマスクを着用し、手指消毒を徹底、密を回避すること、室内空間の換気行うこと、ワクチン接種を行うことを推奨しています。
イギリス・ドイツ・ロシアで新型コロナ感染が1日3~5万人拡大(2021/11/21)
2021年11月下旬になりましたが、国ごとの新型コロナ感染率に大きな違いがみられるようになってきました。日本国内では1日当たりの新規感染者数が100~200人前後と感染者数が低く抑えられているのに対して、ロシア・イギリス・ドイツでは1日の感染者数が3~5万人と多くの感染者数が報告されており、過去最悪の状況となっている国もあります。
イングランドの直近の報道を確認してみると、年齢別で10万人あたりの新規感染者数では5~9歳の子供で723人と一番多くの感染者数となっており、次いで10~19歳で571人の感染者数が報告されております。新学期が始まり10月から小中学校へ生徒たちが通い始めたことが、若年層で感染が増加している理由と考えられています。
また直近の研究報告によると、医薬品を使用せずに新型コロナ感染を予防する手段の有効性について、オーストラリアの大学がデータを公開しているのですが、
マスク着用:発生率を53%低下させる
手洗い:発生率を53%減少させる
社会的距離をとる:発生率を25%減少させる
上記3点が新型コロナ感染予防における有効性が高い手段と報告しています。
国民性として日本では「マスク着用」が生活習慣の1つとして取り入れられていますが、諸外国の中には「マスク着用」を容認しない国も多くあります。
そのため、地域によって・国によって、秋から冬にかけて新形コロナウイルスが猛威に直にさらされてしまうケースがあるようです。
新形コロナウイルスの治療薬として飲み薬「ノルヌピラビル」が承認されましたが、治療薬はあくまで「最後の砦」として使用するべきであり、ウイルスの感染を拡大させるのであれば「予防対策」に重点を置くべだと私は考えます。
イギリスで1日5万人が新型コロナウイルスに感染(2021/10/24)
日本やアメリカ、イスラエルなどの先進国では新型コロナウイルスの感染が減少傾向にあり、少しずつですが経済活動が再開している地域が出てきています。そんな中、イギリスでは1日5万人が新形コロナウイルスに感染している(過去最大)状況が続いています。
なぜイギリスだけ、これほどまでに新型コロナウイルスの感染が拡大しているのかについて調べてみました。
以下が直近1カ月における各国の新形コロナウイルスに感染新規感染者数のデータです。
日本
米国
イスラエル(ワクチン3回目接種国)
イギリス
日本、アメリカ、イスラエル、イギリスの直近1~2カ月の新形コロナウイルス新規感染者数を確認した上記データを見てみると、イギリスだけが感染者数の増加を示しており、最新データによると1日5万人の感染者が報告されている状態です。
ではその要因についてイギリス政府および専門家の見解を確認してみます。要因は多いく分けて以下の3~4つがあげられています。
・マスクの着用がまもられていない
・10代の若者が予防接種を躊躇している
・世界に先駆けて2020年12月にワクチン接種を実施したが、その予防効果が減弱している
・「AY.4.2」とよばれるデルタ株の亜種(スパイクタンパク質A222V & Y145H)の感染が特に拡大している(新規感染者の6~8%)
(「AY・4.2」は従来のデルタ株よりも感染率が10~15%高いと報告されています)
さて、上記の要因を踏まえた上で、日本はどのような対策を行うべきでしょうか。
おそらく「感染率が高いデルタ株の亜種」は数日以内に日本でも感染者が報告されるでしょう。そのため、それ以外の部分で対策を行う必要があります。
先日の国内ニュースによると、ワクチンの3回目接種が医療従事者を中心に11月下旬から開始されることが報道されました。
イスラエルは3回目のワクチン接種を開始したことが要因かどうかはわかりませんが、新規感染者数を低下させた実例があります。
日本はオリンピックの影響で一過性の感染者拡大を招いたわけですが、その後は3回目のワクチン接種を行っていない状況で、新規感染者数を低下させた現状があります。
私の個人的な考えですが、イスラエルにおける新規感染者数を低下と、日本における新規感染者数を低下は意味合いも対応も全く異なると考えております。
先数週間、数カ月のイギリス国内における新規感染者数および国としての対策について注視してみようと思います。