海外旅行の常備薬トラブルを防ぐ!英語の薬情を自分で用意する方法
海外旅行と「お薬」の意外な盲点
待ちに待った海外旅行。パスポート、航空券、着替え、そして忘れちゃいけないのが「普段飲んでいるお薬」ですよね。
しかし、海外へお薬を持っていく際、意外と見落としがちなのが「その薬が何であるかを現地で説明できるか」という点です。日本では当たり前のように飲んでいるお薬でも、言葉の通じない海外の税関や病院では、ただの「謎の錠剤」に見えてしまうことがあります。
特に睡眠薬や鎮痛剤、持病の薬などは、入国審査(税関)で厳しくチェックされることもあります。また、万が一現地で体調を崩して病院を受診することになった際、自分が何を飲んでいるか正確に伝えられないと、適切な治療が受けられないリスクもあります。
「英語で書かれたお薬の説明書きがあれば安心だけど、どうやって手に入れればいいの?」
「病院で診断書を書いてもらうのはお金も時間もかかるし……」
そんな悩みを持つ方に向けて、今回は薬剤師も活用している便利なサイト「くすりのしおり」を使って、自分自身で「英語のお薬説明書」を用意する方法を詳しく解説します。
1. なぜ「英語のお薬説明書」が必要なの?
海外旅行に英語の薬剤情報(薬情)を持っていく目的は、大きく分けて2つあります。
①入国時の税関トラブルを避けるため
国によっては、医薬品の持ち込みに厳しい制限を設けている場合があります。特に向精神薬(睡眠薬など)や強力な鎮痛剤は、麻薬や不正な薬物ではないかと疑われる可能性があります。この時、英語で書かれた正式な説明書があれば、「これは日本の医師から処方された正当な治療薬です」とスムーズに証明できます。
②海外の医療機関で提示するため
旅先で急な病気や怪我に見舞われた際、現地の医師や看護師は必ず「現在服用中の薬」を確認します。薬の「商品名」は国によって異なることが多いため、日本の商品名だけを伝えても伝わりません。英語の説明書きに記載されている「一般名(成分名)」を見せることで、世界中の医療従事者がその薬の内容を正しく理解できます。
2. 「医師の証明書」と「薬局の説明書き」の違い
ここで混同されやすいのが、主治医が書く「英文の薬剤証明書(診断書)」と、薬局でもらえる「お薬の説明書き」の違いです。
英文薬剤証明書(医師が作成)
これは主治医が作成する公的な書類です。「疾患名(病名)」「一般名」「商品名」「剤形」「含量」「数量」などが詳しく記載されます。
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メリット: 公的な効力が強く、麻薬に近い成分や自己注射薬(インスリンなど)を持ち込む際は必須になることが多い。
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デメリット: 数千円程度の文書料(自費)がかかることが多く、発行までに数日〜1週間程度かかる。
英語の薬剤情報(薬局・自分でも用意可能)
今回ご紹介する「くすりのしおり」などを使って作成するものです。処方された薬の効能や飲み方を英語で記したものです。
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メリット: 無料で手軽に用意できる。一般的な血圧の薬、糖尿病の薬、胃薬、睡眠薬などの説明として非常に有用。
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デメリット: 医師の署名が入るわけではないため、厳格な持ち込み制限がある薬(特殊な麻薬など)の場合は、これだけでは不十分な場合がある。
一般的な海外旅行であれば、多くの場合は後者の「英語の薬剤情報」があるだけでも、安心感は格段に違います。
3. 「くすりのしおり」が海外旅行者に最強の味方である理由
薬剤師が現場で英語の薬情を作成する際、最も信頼を置いているサイトの一つが「くすりのしおり」です。このサイトは、製薬会社が作成した公式な情報を一般の人にも分かりやすくまとめたもので、以下の点が非常に優れています。
① 膨大な種類の薬が網羅されている
日本国内で処方されるほとんどの医療用医薬品について、英語バージョンのデータが用意されています。
② Word形式でダウンロードができる
ここが最大のポイントです。PDFだけでなく、編集可能なWord(.doc)ファイルとしてダウンロードできるため、自分の服用量に合わせて内容を書き換えることが可能です。
③ 写真付きで分かりやすい
薬の見た目(写真)が含まれているため、現地のスタッフに見せた時に「どの錠剤のことか」が一目で伝わります。
4. ステップ解説:「くすりのしおり」で英語の説明書を作る方法
それでは、具体的にどのようにして作成するのか、手順を追って見ていきましょう。
手順1:サイトにアクセスして薬を検索
「くすりのしおり」の公式サイトへアクセスし、検索窓に自分が飲んでいるお薬の名前(商品名)を入力して検索します。
手順2:英語版を表示する
該当する薬が見つかったら、詳細ページを開きます。ページの上部や端に「英語版 (English)」という切り替えボタンがあるので、それをクリックしてください。すると、内容がすべて英語に切り替わります。
手順3:Wordファイルをダウンロード
英語版のページにある「Wordファイル(Word File)」というボタンを探してダウンロードします。ファイル名は「○○○.doc」のような形式になります。
※注意:最近のパソコンでは「.doc」は旧バージョンのWord形式として認識されますが、開くアプリとして「Microsoft Word」を選択すれば問題なく閲覧・編集が可能です。
手順4:自分に合った「飲み方(用法・用量)」に編集する
ダウンロードしたWordファイルには、一般的な薬の説明が書いてあります。しかし、「1回に何錠飲むか」「1日に何回飲むか」は患者さんごとに異なります。
Wordファイルの「Dosage and administration(用法・用量)」の部分を、自分の処方箋の内容に合わせて書き換えましょう。
5. そのまま使える!飲み方の英語表現リスト
「英語でどう書けばいいのか分からない……」という方のために、よく使われる飲み方の英語表現をまとめました。これをコピー&ペーストして、Wordファイルの「Dosage and administration」の部分に記入してください。
自分のパターンに合わせて使い分けてください。
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1日1回 朝食後
Take 1 tablet once a day after breakfast.
(1日1回朝食後に1錠服用してください。※「tablet」の部分はカプセルなら「capsule」に変更) -
1日1回 昼食後
Take 1 tablet once a day after lunch.
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1日1回 夕食後
Take 1 tablet once a day after dinner.
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1日1回 寝る前
Take 1 tablet once a day at bedtime.
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1日2回 朝夕食後
Take 1 tablet twice a day, after breakfast and dinner.
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1日3回 毎食後
Take 1 tablet 3 times a day, after every meal.
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頓服(症状があるときだけ)
Take 1 tablet as needed for [symptoms].
(症状があるときに1錠服用してください。例:for pain=痛みのとき、for insomnia=眠れないとき)
6. 海外旅行先で役立つプラスアルファのアドバイス
英語の薬情を用意できたら、さらに万全を期すために以下のことも実践してみてください。
お薬は「外箱」や「シート」のまま持っていく
荷物を減らすために、錠剤をシートから出して100円ショップのピルケースなどに詰め替えてしまう方がいますが、海外旅行ではあまりおすすめしません。
なぜなら、シートには薬の名前が印字されており、それが「説明書きの内容と一致している」ことが重要だからです。バラバラにしてしまうと、本当にその薬かどうかの証明が難しくなります。

予備の薬は「手荷物」に入れる
万が一、預け荷物(スーツケース)がロストバゲージ(紛失)してしまった場合、持病の薬がないと命に関わることがあります。数日分のお薬と英語の説明書きは、必ず機内持ち込みの手荷物に入れておきましょう。
お薬手帳も一緒に持っていく
最近はアプリ版のお薬手帳も普及していますが、海外ではスマホの電池切れやオフライン環境も想定し、紙のお薬手帳(または英語の薬情を挟んだもの)を持っていると非常に強力な安心材料になります。
7. まとめ
海外旅行は楽しいイベントですが、健康管理は何よりも優先されるべき課題です。言葉の壁がある海外だからこそ、事前に「自分の健康を守るための情報」を英語で準備しておくことが大切です。
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「くすりのしおり」を使えば、誰でも無料で正確な英語の薬剤情報が手に入る。
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Word形式でダウンロードして、自分の正しい飲み方を英語で追記する。
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1日3回なら「3 times a day, after every meal」と記載する。
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お薬はシートのまま、説明書きと一緒に手荷物に入れて持ち運ぶ。
たった数分、出発前の準備に時間をかけるだけで、旅先での安心感が大きく変わります。もし自分で準備するのが不安な場合は、かかりつけの薬局の薬剤師に「海外に行くので英語の薬情が欲しい」と相談してみてください。多くの薬局で、今回ご紹介したような資料の作成をサポートしてくれます。
万全の準備をして、安心で素敵な海外旅行を楽しんできてくださいね!
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