小児に対するニューキノロン点眼液の使用データまとめ(自分まとめ)
一般的に小児に対してニューキノロン系抗菌剤は禁忌とされています。
その理由は関節障害(軟骨毒性)のリスクがあるためです。動物実験では、未成熟な軟骨細胞に影響を与え、関節の異常を引き起こす可能性が示唆されています。
特に、ミトコンドリアDNAの合成阻害や、マグネシウムとのキレート形成による影響が関節障害の原因として考えられています。
そのため、内服薬を中心にニューキノロン系抗菌薬は小児に対して禁忌です。
一方で、目薬に関しては「オゼックス点眼液」がニューキノロン系の製剤であるにも関わらず、小児への適応を有しています。
解釈としては、目薬として使用する量がごくわずかであるため、全身性の副作用がほとんど出ないためです。
それならば、他のニューキノロン系の目薬も・・・と思うのですが、小児への適応を有しているのはオゼックス点眼だけなんですね。
そこで今回は、適応は有さないまでも、小児への臨床試験を行っているニューキノロン系の抗菌薬について調べてみました。
ガチフロ点眼
1歳以上15以下の小児へ1日3回、1回1滴を3日以上14日以下で使用
対象疾患:細菌性感染症(眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎など)
結果:著効84.9%、有効98.1%
副作用:0症例
(1~7歳未満:45症例、7~12歳未満:5症例、12~15歳未満:20症例)
ちなみに1歳未満を対象とした使用データも確認してみると
生後27日以下:68症例:副作用0症例
生後28日~1歳未満:110症例:副作用0症例
とされています。
ベガモックス点眼
41日齢以上12歳未満の細菌性感染症患者38例における有効率は97.4%
24カ月齢以上12才未満における有効率は100%
小児への使用における有害事象の頻度は、成人患者で発現した有害事象と差はみられなかった。
クラビット点眼0.5%
4週齢未満:20例
4週齢以上1歳未満:187例
1歳以上7歳未満:666例
7歳以上15歳未満:386例
小児への副作用発現率は0.32%であり、15歳以上の副作用発現率(0.7%)と比較して有意差は認められなかった。
細菌性結膜炎と診断された小児53例74眼(生後1カ月~12歳)を対象にクラビット点眼液0.5%を1日3回、1週間使用した結果、全例が治癒し、副作用は特に認められなかった。(平均投与期間:7.75日)

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