2021年5月1日から新薬処方日数制限が解禁となる医薬品

2021年5月1日から新薬処方日数制限が解禁となる医薬品

新薬発売から1年が経過し、2021年5月1日から14日間の処方日数制限が解除となる医薬品は以下の通りです。手にしたことがない薬剤もあるため、薬理作用も含めてまとめてみました。

デエビゴ錠2.5mg/5mg/10mg
ベルソムラと同じ薬理作用の睡眠薬です。
ベルソムラ錠はCYP3A阻害薬(イトリゾール・クラリス・ノービア・ビラセプト・ブイフェンド)が併用禁忌であるのに対し、デエビゴ錠は禁忌ではありません。
(上記薬剤+ワソラン錠とデエビゴ錠は併用注意であり、デエビゴ2.5mgへ減量処方することで併用可能です。)

また、デエビゴ錠は1包化調剤可能、年齢による用量指示なしという特徴があり、ベルソムラ錠よりと比較して、あらゆる面で使い勝手がよい薬剤に感じております。

ユリス錠0.5mg/1mg/2mg
尿酸排泄促進剤です。同類薬のユリノーム錠には劇症肝炎等の重篤な肝障害のリスクが警告されているのに対し、ユリス錠にはそのような警告はありません。
(ただし、ユリス錠の添付文書には「他の尿酸排泄促進薬で重篤な肝障害が報告されているので、定期的な肝機能検査を行うなど患者の状態を観察すること」と記されています)

添付文書にはユリス錠もユリノーム錠も、どちらも共通して「サリチル酸製剤(アスピリン等)」との併用で尿酸排泄作用が減弱することが記されています。
ユリス錠を発売する持田製薬は2021年5月の長期処方解禁を前に0.5mgおよび1mg規格の包装について従来の100錠包装に加え、500錠包装の追加販売を発表しました。
ユリス錠0.5mg/1mgに500錠包装発売追加

リンヴォック錠7.5mg/15mg
既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)を適応とする薬剤です。新規ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤の徐放性フィルムコーティング錠であり、細胞膜上のサイトカイン受容体と会合し、その下流シグナル伝達を阻害することで、炎症性サイトカインを選択的・可逆的に阻害することができる薬剤です。

ニュベクオ錠300mg
遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌を適応とする薬剤です。
非ステロイド性抗アンドロゲン剤であり、アンドロゲン受容体(AR)へのアンドロゲンの結合を競合的に阻害することで、ARの核内移行と転写活性を抑制し、アンドロゲン依存性の腫瘍増殖を抑制します。

tab3

ノクサフィル錠100mg
造血幹細胞移植患者又は好中球減少が予測される血液悪性腫瘍患者における深在性真菌症の予防
真菌治療(フサリウム症、ムーコル症、コクシジオイデス症、クロモブラストミコーシス、菌腫)
アゾール系の抗真菌薬です。
深在性真菌症は血液疾患領域・呼吸器内科領域をはじめ、幅広い領域の患者にみられる臓器・全身性感染症です。ノクサフィル錠は真菌細胞の細胞膜を構成するエルゴステロールの生合成を阻害し、各種酵母様真菌および糸状菌に対して、抗真菌作用を示します。

禁忌薬
クリアミン配合錠/パルタンM/リポバス/リピトール/オーラップ/硫酸キニジン/ベネクレクスタ/ラツーダ・

コレクチム軟膏0.5%
アトピー性皮膚炎治療剤。JAK阻害剤であり、サイトカインシグナル伝達を阻害することで、T細胞・B細胞・マスト細胞および単球の活性化を抑制して、アトピー性皮膚炎を治療します。

0.5%製剤で治療開始4週間以内に症状の改善が認められない場合は,使用を中止すること。
成人には,0.5%製剤を1日2回,適量を患部に塗布する。なお,1回あたりの塗布量は5gまで

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業

Share
Published by
ojiyaku