おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

乳児 授乳婦

日本小児科学会が液体ミルクの使用に関する注意点を公表

投稿日:2019年4月2日 更新日:

日本小児科学会が液体ミルクの使用に関する注意点を公表

 

2019年3月に液体ミルク(乳児用調整液状乳)の販売が開始となりました。日本小児科学会の基本的な考えとして、「あくまで液体ミルク・乳幼児粉ミルク」は母乳代替食品であり、平時も災害時も乳児に推奨されるのは“”母乳“であることを踏まえてうえで、液体ミルクの使用法に関する注意点を公表しています。

液体ミルク

国内で製造、販売される液体ミルクは、組成は乳児用粉ミルクと同等、保存期間中の成分の変化も許容範囲内です。調乳環境が整っていない状況においても、常温で保存でき、乳児にそのまま飲ませることができるため、今後各地で災害に備えて備蓄されることが予想されます。 

 

液体ミルクの注意点

・保存にあたっては高温下におかないこと

・期限が切れていないか、破損がないか確認すること

・開封したらすぐに使用し、飲み残しは使用しないこと などです。

乳児用調整液体乳(液体ミルク)の使用に関する注意点

2019年1月に公開された「赤ちゃん防災プロジェクト」には、災害時における乳幼児の栄養支援に関する手引きが記されています。

 

災害時の避難生活が長期化すると、水分・食事が制限されるため乳児・妊婦・授乳婦における健康問題に配慮が必要となるため、優先して影響をとってもらうことが重要です。

(母乳を作るためには350Kcal/日のエネルギー付加が必要)

授乳中にアルコールを飲んだ場合、赤ちゃんにはどのような影響があるのか

避難所生活で生じる栄養・食生活の問題としてはエネルギー摂取不足・水分摂取不足による脱水症状があげられ、授乳婦・乳幼児の栄養不足を防ぐ目的として粉ミルク・液体ミルクの利用が予防法として記されており、手引きには液体ミルクをカップで赤ちゃんに与える方法も写真付きで掲載されています。

(哺乳瓶や乳首がない時の代替手段として紙コップやカップ・スプーンをつかって赤ちゃんに液体ミルクを飲ませる方法です)

「赤ちゃん防災プロジェクト」2019年1月

milk

milk

赤ちゃん防災プロジェクトに記載されている液体ミルクの使用方法

・飲む前によく振って攪拌する。

・開けたらすぐに飲む。飲み残しは捨てる。

・常温(おおむね 25℃以下)で適切に保存する。

 (常温で保管されていれば、温めて与える必要はありません。温めて与えることもできますが、温め方は説明書に沿って下さい(レンジ不可;電子レンジは、加熱が 不均衡で、一部に熱い部分(「ホット・スポット」)ができ、乳児の口に火傷を負わす可能性があります)。温めたミルクを乳児が飲まなかった場合は保存せずに破棄 してください。)

・災害時には外国製品が支援物資として届くこともあります。外国語の表示に注意 してください。特に、月齢に適した製品であるかを必ず確認してください。

・外国製品の場合、日本製品と期限表示が異なります

-乳児, 授乳婦
-日本小児科学会, 注意点, 液体ミルク, 赤ちゃんの防災プロジェクト

執筆者:ojiyaku


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

関連記事

alchole

授乳中にアルコールを飲んだ場合、赤ちゃんにはどのような影響があるのか

授乳中にアルコールを飲んだ場合、赤ちゃんにはどのような影響があるのか   母親がアルコールを飲むと、アルコール成分が乳汁中に分泌されるため、「授乳中の方はアルコールの摂取を控えること」と医療 …

ninpu

男女の産み分けについて、オーストラリアが新たな手法を報告(2023/4/24)

男女の産み分けについて、オーストラリアが新たな手法を報告(2023/4/24) 日本では男女の比率が女性100に対して、男性は105とわれていおり、これは不動の生物学的基準と考えられています。 インド …

nankou

白色ワセリンとプロペト軟膏の違い/ベトベトしないのはどっち?

白色ワセリンとプロペト軟膏の違い/ベトベトしないのはどっち?   白色ワセリンもプロペト軟膏も保湿剤や基剤として使用される軟膏で薬価も同じです。(一部の白色ワセリンで若干安い商品もあります) …

mama

痛み止めとして小児に対するカロナール(アセトアミノフェン)を使用する場合の量15mg/kgについて

痛み止めとして小児に対するカロナール(アセトアミノフェン)を使用する場合の量15mg/kgについて 2023年10月12日追記 以下の禁忌項目が削除となりました。 ・消化性潰瘍のある患者 ・重篤な血液 …

acetaminophen-febrile-seizure

アンヒバ坐剤(アセトアミノフェン坐剤)が小児の熱性けいれんの再発を減少させる

アンヒバ坐剤(アセトアミノフェン坐剤)が小児の熱性けいれんの再発を減少させる   市立ひらかた病院からの報告によると、小児(6ヵ月~5歳)の熱性けいれん患者に対してアンヒバ坐剤(アセトアミノ …