日本小児科学会が液体ミルクの使用に関する注意点を公表
2019年3月に液体ミルク(乳児用調整液状乳)の販売が開始となりました。日本小児科学会の基本的な考えとして、「あくまで液体ミルク・乳幼児粉ミルク」は母乳代替食品であり、平時も災害時も乳児に推奨されるのは“”母乳“であることを踏まえてうえで、液体ミルクの使用法に関する注意点を公表しています。
液体ミルク
国内で製造、販売される液体ミルクは、組成は乳児用粉ミルクと同等、保存期間中の成分の変化も許容範囲内です。調乳環境が整っていない状況においても、常温で保存でき、乳児にそのまま飲ませることができるため、今後各地で災害に備えて備蓄されることが予想されます。
液体ミルクの注意点
・保存にあたっては高温下におかないこと
・期限が切れていないか、破損がないか確認すること
・開封したらすぐに使用し、飲み残しは使用しないこと などです。
2019年1月に公開された「赤ちゃん防災プロジェクト」には、災害時における乳幼児の栄養支援に関する手引きが記されています。
災害時の避難生活が長期化すると、水分・食事が制限されるため乳児・妊婦・授乳婦における健康問題に配慮が必要となるため、優先して影響をとってもらうことが重要です。
(母乳を作るためには350Kcal/日のエネルギー付加が必要)
避難所生活で生じる栄養・食生活の問題としてはエネルギー摂取不足・水分摂取不足による脱水症状があげられ、授乳婦・乳幼児の栄養不足を防ぐ目的として粉ミルク・液体ミルクの利用が予防法として記されており、手引きには液体ミルクをカップで赤ちゃんに与える方法も写真付きで掲載されています。
(哺乳瓶や乳首がない時の代替手段として紙コップやカップ・スプーンをつかって赤ちゃんに液体ミルクを飲ませる方法です)
赤ちゃん防災プロジェクトに記載されている液体ミルクの使用方法
・飲む前によく振って攪拌する。
・開けたらすぐに飲む。飲み残しは捨てる。
・常温(おおむね 25℃以下)で適切に保存する。
(常温で保管されていれば、温めて与える必要はありません。温めて与えることもできますが、温め方は説明書に沿って下さい(レンジ不可;電子レンジは、加熱が 不均衡で、一部に熱い部分(「ホット・スポット」)ができ、乳児の口に火傷を負わす可能性があります)。温めたミルクを乳児が飲まなかった場合は保存せずに破棄 してください。)
・災害時には外国製品が支援物資として届くこともあります。外国語の表示に注意 してください。特に、月齢に適した製品であるかを必ず確認してください。
・外国製品の場合、日本製品と期限表示が異なります