おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

抗インフルエザ治療薬

ゾフルーザ錠に対するインフルエンザA(H3N2)の耐性菌率10.9%

投稿日:2019年2月13日 更新日:

ゾフルーザ錠に対するインフルエンザA(H3N2)の耐性菌率10.9%

国立感染症研究所は2019年2月12日、2018/2019シーズンの抗インフルエンザ薬耐性株検出情報を公開しました。

influenza

influenza

(国立感染症研究所ホームページのアクセスが集中する時間帯は閲覧しにくいケースがあります)

 

2018/2019シーズンは2種類のインフルエンザA型が猛威をふるったために、国内では過去最大の感染率となったわけですが、抗インフルエンザ薬の耐性菌の出現率もインターネット上で話題となっていました。

抗インフルエンザ薬耐性検出情報(2018/2019シーズン)

抗インフルエンザ薬耐性検出情報

 

インフルエンザA(H1N1):カッコ内の表記は(耐性株/解析株数)

ゾフルーザ錠:1.4%(1/72)

タミフル:0.2%(1/480)

ラピアクタ:0.2%(1/480)

リレンザ:0%(0/145)

イナビル:0%(0/145)

シンメトレル錠:100%(71/71)

 

インフルエンザA(H3N2(A香港型)):カッコ内の表記は(耐性株/解析株数)

ゾフルーザ錠:10.9%(5/46)

タミフル:0%(0/42)

ラピアクタ:0%(0/42)

リレンザ:0%(0/42)

イナビル:0%(0/42)

シンメトレル錠:100%(46/46)

ゾフルーザ耐性インフルエンザウイルスの報告について(横浜)

インフルエンザB:カッコ内の表記は(耐性株/解析株数)

ゾフルーザ錠:0%(0/6)

タミフル:0%(0/8)

ラピアクタ:0%(0/8)

リレンザ:0%(0/8)

イナビル:0%(0/8)

シンメトレル錠:0%(0/8)

 

上記の中で目を引くのは、インフルエンザA(H3N2(A香港型))に対するゾフルーザの耐性出現率10.9%(5/46)という数値です。より細かいデータを確認してみたのですが、検出された5件のうち、2件は横浜市衛生研究所(神奈川)による報告で、残り3件は不明でした。そのため耐性株が地域に限局されているのか、広い範囲で拡大しているかは、現状ではわかりません。

インフルエンザと下痢について

インフルエンザ診断キットではA(3N2)の型までは・・

 

インフルエンザの迅速キット「クイックナビ」などでインフルエンザ陽性・陰性を検査するケースが多いかと思うのですが、迅速キットではインフルエンザAの中でH1N1なのかH3N2なのかまではわかりません。

 

インフルエンザ分離・検出・報告数

A(H1N1):1102件

A(H3N2):750件

B:28件

 

報告数としてはH1N1が最も多く、次いでH3N2となっています。しかし実際の直近の情報としては2018年12月インフルエンザシーズンに入った当初A型(H1N1)が猛威をふるい、インフルエンザに罹患した7割の患者さんがH1N1型と報告されております。しかし、2019年1月に入りH1N1型の率が減少してくると、今度はH3N2型の感染率が上昇し、2019年の2月現時点では8割近い患者さんがH3N2型と報告されています。(H1N1型は3割程度です)

ゾフルーザの耐性率

 

A(H1N1)の場合のゾフルーザ耐性率:1.4%(1/72)

A(H3N2)の場合のゾフルーザ耐性率:10.9%(5/46)

3歳児からゾフルーザ錠を飲む方法(はじめての玉の薬“錠剤”を飲む方法)

迅速キットの検査後、インフルエンザA型と判定した後は、

・上記の耐性率の数値

・地域の耐性菌発生率

・A型(H3N2)が流行している

といった指標をもとに、使用する薬剤を判断するかという感じでしょうか。

抗インフルエンザ薬耐性検出情報(2018/2019シーズン)

ゾフルーザ錠のはたらきについて

ゾフルーザ錠を体重80kg以上の方が飲むと自己負担額が3000円を超える

-抗インフルエザ治療薬

執筆者:ojiyaku


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

influenza-elderly-people

高齢者は毎年インフルエンザワクチンを接種すると重症化リスクを減少させることができる

目次 高齢者は毎年インフルエンザワクチンを接種すると重症化リスクを減少させることができる厚生労働省によるインフルエンザワクチンの有効率に関する報告 高齢者は毎年インフルエンザワクチンを接種すると重症化 …

XOFLUZA-resistant

ゾフルーザ耐性インフルエンザウイルスの報告について

ゾフルーザ耐性インフルエンザウイルスの報告について   2018年12月、横浜の小学校にてゾフルーザ錠に対する耐性を獲得したインフルエンザウイルスが報告されました。 横浜で確認された変異型の …

influenza-CCB

カルシウム拮抗薬がインフルエンザウイルスの感染を予防する

カルシウム拮抗薬がインフルエンザウイルスの感染を予防する   北海道大学の研究チームが降圧剤「カルシウム拮抗薬」を投与することでインフルエンザウイルスの感染を予防するというデータを公開しまし …

influenza-Air-infection

インフルエンザウイルスの空気感染リスクに関しての報告(2018年1月18日)

インフルエンザウイルスの空気感染リスクに関しての報告   インフルエンザワクチンは、感染者が呼吸するだけで感染力のあるウイルスが呼気に含まれる、いわゆる「空気感染」する可能性があるという報告 …

influenza-Myocardial-infarction

インフルエンザウイルスに感染すると急性心筋梗塞発症リスクが高まる

インフルエンザウイルスに感染すると急性心筋梗塞発症リスクが高まる   インフルエンザウイルスに感染が確認された後1週間以内は、急性心筋梗塞の発症リスクが高まるという報告がカナダの研究チームに …